TAMI
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TAMITEKU

こんにちは、TAMI( @tamiteku )です!

当ページは引き寄せの言葉を紹介します。

TAMITEKU
当ページではITコンサルタントとして活動している
私のプレゼンスキル&プレゼンに向けた考え方をLesson形式で紹介していきます。

なんと50,000文字超のボリュームになっております。
宜しければ、ブックマークなどして頂き、お時間を見つけつつ、読み進めていただければ幸いです。

プレゼンテーションとは『贈ること』である。あなたはどのように『贈り』、そして相手の心に届けることができるか。

第1章 プレゼンテーションとは


贈るもの

「プレゼンテーション」。私たちが日頃からよく接している言葉です。
では、ためしにこの言葉を辞書で引いてみましょう。

「提示」の意であり「広告代理店が新規獲得・更新に際し、
広告依頼主に対して広告計画案を示すこと」と書いてあります。(三省堂大辞林より)

『え?そんな意味だったのか?・・・』と感じませんか?

もはや、このような意味だけではないことは、皆さんもよくお感じのことでしょう。
プレゼンテーションはいまや、ビジネスのあらゆる場面で幅広く実行されています。
辞書に書かれている以上の意味の広がりを持った言葉になってきています。

さらにこの言葉の意味を考えてみましょう。英語で書くと Presentation となります。
Present(プレゼント)という単語が文字列にふくまれています。

プレゼントとは「贈り物」(をおくる)ということです。
つまり、贈る自分以外に、プレゼントを受け取る相手がいます。
そして、その贈り物は相手に確実に受け取られなければなりません。
このとき贈るものは、一体何でしょうか?

それは、「価値」です。贈ったもの(贈られたもの)が持っている「価値」です。
その価値は、贈り手と受け手が共有できるものでなければなりません。
その価値が共有できているかどうかは、次のことを考えてみるとわかります。

・ きちんと贈れたのか。
・ 受け取ってくれたか。
・ どんなふうに捉えてもらったか。
・ 正しく理解していただけたのか。
・ こちらの独りよがりになっていないか。
・ 相手に誤解されていないかどうか・・・等など

プレゼンテーションはあらゆるビジネスパーソンに必要とされている能力です。
単なる「説明」や「説得」ではなく、まして「単なる売り込みの手段」でもありません。
それは「価値の提供」であり、また「理解と協調で周囲を巻き込み仕事を進める能力」であると言い換えることができます。
次からさらにくわしくプレゼンテーションを考えていきます。


2つの意味

プレゼンテーションには2つの要素がふくまれています。それは「伝達」と「表現」というものです。
一見似たような意味を持ちますが、行為としてはまったく別のものに両者は分かれます。

簡単に言えば伝達=伝えること、表現=表す、ということになります。

「伝える」とは何でしょうか?
それは、話すこと、説明すること、聞くこと(主に口頭と動作にて行います)です。

「表す」とは何でしょうか?
それは、伝えたいものを聞き手に見せること、目に見えるように作ること(主に文字や音、映像にて行います)を意味します。

「伝える」「表す」。どちらか1つが欠けてもプレゼンテーションは成立しません。

具体的に考えてみましょう。
購入してもいない誕生日プレゼントを、それがどれだけ価値があって素晴らしいものであるかを、贈る相手に口頭と身振りだけで理解してもらうことは可能でしょうか?

できるとしてもそれには大変な時間がかかることになるでしょう。
伝達だけでは、難しいのです。

では逆に、十分に聞き手に理解できる資料を作って見てもらったらどうでしょうか?
その場合、こちらが伝えようとしていることを理解はしてくれるでしょう。
しかし、説明の仕方に熱意がなくておざなりであれば、聞き手は即座に関心を失います。
表現しただけでも、いけないのです。

このように、プレゼンテーションには伝達と表現という2つの要素があり、それらを使って聞き手の理解を促します。
しかもただ理解を促すだけではなく、「共感」してもらわなくてはなりません。
「共感」とは、こちらの望む方向に相手に進んでもらうということです。

例えば、自社の製品を購入してもらう、新しいサービスを使ってもらう等、私たちは日常で、プレゼンテーションを無意識に駆使して共感を獲得しています。
では、この2つの要素を上手に活用するにはどうしたらいいのでしょうか?

それは

「冷静に表現し、熱い気持ちで伝える」

ということです。
次の Lesson では、受け取る側の立場からこのことを考えてみます。

 

コミュニケーションとの関係


プレゼンテーションを成功させるのに「冷静に表現し、熱い気持ちで伝える」という心構えが必要である、と申し上げました。
このことをもう少し深く考えてみましょう。
「冷静に表現する」「熱い気持ちで伝える」。
これは相手に共感してもらい、こちらの望む方向に進んでもらうために必要だからです。

そのためには、まず相手のことをよく知るということが必要です。

冒頭でプレゼンテーションとはプレゼントという言葉をふくんでいると説明しました。
大切な人に何かプレゼントする場合、皆さんはまず何を第一に考えますでしょうか?

そのとき、自分の気に入ったものを贈るでしょうか?
相手が喜びそうだと思うものを考えて選び、それを贈っているのではありませんか?

例えば、相手が甘いものが苦手なのにケーキを贈るということはあまりしないのではありませんか?
これを贈ったらきっと喜んでくれる、自分の気持ちをわかってくれる、そう期待していることでしょう。

実は、これはプレゼンテーションにもまったく同じことが当てはまるのです。
何かをプレゼンしようとする場合、どういったら聞き手に理解し共感してもらえるかをあなたは最大限に考えます。

・ そもそも相手はどんな人なのか?
・ どんなことに関心があるのか?
・ 現在の問題意識はどのあたりにあるか?
・ プレゼンの際にどんなことを聞いてきそうか?等など。

時間の許す限り、徹底的にリサーチして本番に臨むことになるでしょう。
プレゼンテーションで冷静に表現するのに必要な作業です。
「多分、大丈夫だろう」という予断を持って、軽率に判断してはいけません。
そのためにも、相手の立場に立って考えるという姿勢は重要になってくるのです。
そして、熱い気持ちで考え抜いたことを聞き手に伝えましょう。

営業力・技術・経営の三大テーマ


前の Lesson で私たちはプレゼンテーションに、日常生活で頻繁に接していると説明しましたが、やはりもっとも多く接しているのはビジネスの場面においてでしょう。
まず、会社の経営という大きな視点から眺めていきます。

会社の経営者にとって自社での課題というのは大別すると次の3つといわれています。
すなわち「経営基盤の強化」「営業力強化」「技術力強化」という三大テーマがほぼすべての企業に当てはまるといってよいでしょう。
(企業によっては「技術力強化」が「サービス力強化」等に代わる場合があります)

これら三大テーマを太い幹として、枝葉の企業活動ではさまざまな課題にさらされています。
たとえば、グローバル化 、情報化、ソフト化など。さまざまな変化が押し寄せてきますが、そのなかで変化対応と競争に勝ち抜く努力をしなければなりません。
このような変化には、大きな2つの特徴があります。

1.膨大な情報が各企業に寄せられているということ。
2.それら情報をもとにして短時間での意思決定がなされるということ。

しかもその意思決定は迅速に行われ、かつ正確なものでなければなりません。
情報量の増大と内容の複雑化が進んでいる現代において、難しい事柄をわかりやすく説明することのできるプレゼンテーションがますます求められているといってよいでしょう。

例えば社内での企画を提案するスタッフにとっては、自らの企画を社内の各部門や経営層などに的確に要領よく伝え、説得する能力が求められます。
もちろん、営業現場においても、担当顧客との関係をより強固にするためにさまざまな機会を通じてプレゼンテーションが行われていることでしょう。
社内外を問わず、プレゼンテーション能力を問われる機会が増えているのです。

また、マネージャーなどの管理職の場合、自分だけができればよいということにはならず、メンバーそれぞれが場面に応じて的確なプレゼンができるように指導する必要もあります。
プレゼンテーションは一部の人間だけが習得しておけばよい能力ではなく、すべてのビジネスパーソンに必須の能力であるといえます。

 

優秀なプレゼンターを目指そう


前の Lesson では、次の2点について説明しました。

従来行われてきた PDCA の管理サイクル だけでは、仕事が収まりきらなくなってきたこと
仕事の変化に対応して新管理サイクルと呼ぶ RPDCA という考え方が登場してきたこと

現代の仕事のサイクル、つまり「1つの仕事の開始から完了までの時間」は驚くほど短縮化されてきています。

ビジネスの現場では常に変化への対応を要求されています。
つまり、普通の仕事がだんだんとプロジェクト化していくということです。

では、プロジェクトとはそもそも何でしょうか?

普通の仕事ともっとも違う点は、目標と期限がより厳密に決められており、参加するメンバーがさまざまな部署から構成されるという2点です。
「いつまでにどのくらい?」
「だれと組む?」
それぞれのプロジェクトでは個別に決められています。
しかも、ほとんどは短い期限での達成を求められる性質を帯びています。

企業は、市場や環境の変化に対応し的確に要求に応え続けることが求められています。
常に社内外のリソースに目配りし、短期間で英知を結集させて、望まれる成果を的確に達成しつづける、そんなサイクルを繰り返す場所に企業は変質しています。
このように仕事は段々とプロジェクト化してきています。

このような状況で、期待される管理者とはどんな人でしょうか?
周囲の人たちに的確に意図を伝えて説得し、ある方向へと仕事やプロジェクトを導いていくという役割を持ちます。
つまり「周囲を巻き込み、理解と協調で短時間に仕事を進める能力」が求められています。
これは、そのままプレゼンテーション能力を指します。
つまりプロジェクトの成功とは、プレゼンテーションの能力とも深く関わっています。

プレゼンテーションとはマネジメントそのものであるといっても過言ではありません。
このようなプレゼンテーションの本質を掴み、あなたも仕事のできる管理者を目指そうではありませんか。
このコースでは、RPDCA サイクルに沿ってプレゼンテーションを学習していきます。
学習が終了する頃には、マネジメントにおいても格段の進化が出現していることを期待しています。

資料、話、ポイントなど


優秀なプレゼンターを目指す前に、嫌がられるプレゼンテーションについて考えてみましょう。

このようになってはいけない、という反面教師として参考にしてください。
嫌がられるプレゼンテーションでもっとも多い意見は次の4つに大別されます。

1.漠然としていて何が言いたいのかがわからない。
この場合、大抵は説明することが非常に長くなっている場合が多いようです。
プレゼンする側からしますと、言いたい内容をすべて聞き手に伝えたいと考えるものです。
しかしプレゼンは可能な限りに短時間で、要領よくメリハリをつけなければなりません。

2.一方的に話を聞かされるような印象がある。
説明が長すぎて質問や問いかけに応じられる余裕がなくなった場合に寄せられる感想です。
メリハリをつけて短時間でプレゼンを進行させるということに尽きますが、実はプレゼンターが、聞き手を見ていないからそう思われることがあります。
説明に熱心になるあまり、スクリーンや資料ばかり見ていると聞き手はすぐに関心を失ってしまいます。
プレゼンテーションをするときは聞き手の顔をしっかりと見ることです。

3.メリハリが感じられず、単調で退屈な内容である。
プレゼンテーションは、聞き手に主張したいメッセージを必ず中身にふくんでいます。限られた時間で簡潔に、わかりやすくメッセージが伝わるよう構成しなければなりません。

4.資料を読むだけで精一杯、話が十分に聞けない。
これは配布している資料の情報量に問題があります。プレゼンに使う資料で1枚の紙の内容を確かめてみましょう。1枚に大量の情報が載っている資料になっていませんか?プレゼンに使う資料は中身を詰め込みすぎてはいけません。

 

 

第1章のまとめ

この章では以下のことについて学びました。

共有できる「価値」を「贈る」ことがプレゼンテーション
プレゼンテーションはあらゆるビジネスパーソンに必要とされている能力です。それは「価値の提供」であり、また「理解と協調で周囲を巻き込み仕事を進める能力」です。

「伝達」と「表現」を理解し「冷静に表現し、熱い気持ちで伝える」
プレゼンテーションでは「伝達」と「表現」を使い聞き手の理解を促します。共有できる価値を口頭と身振りで熱心に「伝達」し、それが十分に理解できる資料を用意して冷静に「表現」することです。もちろんここには望む方向に相手が進める「共感」も大事です。

聞き手に理解し共感されるプレゼンテーションを実行する
時間の許す限り相手が「どんな人」で「関心は何」で「現在の問題意識は何か」「何を聞いてくるのか」など聞き手の立場を徹底的にリサーチし本番に臨み理解と共感を得るプレゼンテーションにしましょう。

全てのビジネスパーソンにプレゼンテーションは必要である
情報量の増大と内容の複雑化が進む中で難しいことがらをわかりやすく説明できるプレゼンテーションとその能力はマネージャーなどの管理職や企画、営業、社内外を問わずすべてのビジネスパーソンに必須となっているのです。

管理者の仕事はプレゼンテーションそのものである
管理サイクルという考え方があり最近ではR(調査)-P(計画)-D(実行)-CA(チェック+アクション)という「RPDCA」が広まってきています。この考えはそのままプレゼンテーションの手順として活用できるのです。

プロジェクト成功のために優秀なプレゼンターを目指す
ビジネスの現場では仕事のサイクルの短縮化と目標と期限が厳密に決定され、さまざまなメンバーで構成されたプロジェクト化が進んでいます。これを成功させるためには「周囲を巻き込み、理解と協調で短時間に仕事を進める能力」をもつ管理者が求められています。これがすなわちプレゼンテーション能力なのです。

嫌がられるプレゼンテーションを反面教師にして学ぼう
もっとも多い意見は、「漠然とした説明」「一方的な話し方」「メリハリがなく単調で退屈」「資料を読むだけで精一杯、話が十分に聞けない」の4つです。これは逆に「聞き手に主張したいメッセージを簡潔にわかりやすく伝える」「聞き手の顔を見て質問や問いかけにきちんと応じる」「短時間に要領よくメリハリをつけて説明する」「詰め込みすぎない資料を作成する」と考えれば成功するプレゼンテーションになります。

第2章 プレゼンテーションの前に行うこと

目的を明確にする


ほとんどのプレゼンテーションでは、事前に聞き手の情報を入手することができます。たとえば・・・

聞き手の名前、人数、部門、役職、年齢・・・等などです。

こうした情報をもとにしてプレゼンの構成を考えていきますが、これらの情報から推理しなければならないことがあります。それは、プレゼンテーション全体の構成に大きな影響を与えるものです。

それは、聞き手の「理解力」をつかむことです。
この「理解力」のレベルによってプレゼンする内容は大きく変わってしまいます。
理解力は参加する聞き手の「専門」「経験」「知識」などによって規定されてきます。
今回のプレゼンでの聞き手の理解力は、どのあたりにあるのか?
ここを正しくリサーチしておかないとプレゼンの成功が難しくなります。

聞き手の理解力が高い場合は、あまり心配がいらないでしょう。
たとえば高度な専門用語や専門情報を内容に盛り込んでも大丈夫です。
問題なのは、聞き手の理解力が必ずしも高くない場合です。
専門知識がない聞き手が、プレゼンにおけるキーパーソンであったらどうでしょうか?
実は、こういう場合は決して少なくないのです。
部門を代表するような地位にいて、プレゼンのキーパーソンである部門長や役員のような方の場合、実務から遠ざかっていて最新の情報に触れてないことも多いのです。

こういう場合、難しい専門用語は避けて、なるべくやさしい表現を使うことが肝要です。
しかし、プレゼンテーションですからもっとも訴えたいポイントを強調する必要があります。

聞き手別に、次のような点に留意しておきましょう。

聞き手 内容 ポイント
専門家 専門情報、用語を組み入れる 効果や効用を訴える
役職者 なるべくわかりやすく構成する 重要なことを繰り返す

このように、まず聞き手を知ることは非常に重要です。

<ストーリーを作る> 序論・本論・結論


目的をはっきりとさせ、受け手の理解力まではわかりました。次はプレゼンテーションの構成について考えていかなければなりません。
プレゼンテーションの場合、特殊なものを除いて一般的には次のような構成になります。

序論 本論 結論 の三部から構成されます。

序論とは、プロローグ。すべての始まりです。
これからどんな話をしていくのか?その内容と目的について明らかにします。
聞き手にとってその話がいかに重要であるかを示します。
最終的に聞き手の共感までを獲得しなければなりませんから、聞き手に最大限の関心を持っていただくように働きかけます。

本論とは、プレゼンの内容そのものです。基本的にはわかりやすくかつ説得力があり、ときにはユーモアも交えられると最高です。
ここでのポイントは、内容を欲張って詰め込みすぎないことです。
話が一方的に展開されたり、1枚の資料に何個もポイントが示されていたり、長い文章が連続するようなら聞き手は関心を失ってしまいます。しかも、情報量に圧倒されると共感どころか、聞き手はかえって反感を持ってしまう怖れもあります。
重要なポイントは絞って、例えば1枚の紙(スライド)には 100 字以上の文章を使わないというルールを決めて作るようにしましょう。
話を膨らませることは、その場でいくらでもできます。

本論を作ったら必ずチェックしてください。
比較的に長くなりがちな箇所ですので、話の整合性や矛盾点などが出ている場合があります。できれば複数の人で読み合わせることをお勧めいたします。

結論とは、つまりプレゼンのまとめです。
重要なポイントを再度提示するということと、聞き手の判断や意思決定を引き出す言葉を必ず使ってください。
聞き手に判断していただき意思決定していただくのがプレゼンの目的ですから、こうしたまとめがないと成立しません。

<場所(会場)を考える> 位置の確認や会場の下見


プレゼンを実施する場所、つまり会場について考えてみましょう。
社外が会場である場合はもちろん、社内で開催する際にも確認すべきポイントがあります。

広すぎないスペースがよい
例えば、100人は座れる教室型の会場に、聞き手が 20 人という場合はどうなるでしょう?
聞き手は、プレゼンターから比較的遠い、うしろ側の席から座っていくのではありませんか?
空席が目立つ会場で思い思いの場所に聞き手が座っている、なんとなく間延びした空気でプレゼンを始めなければなりません。
もしも会場が選べるのならば、参加人数にあったなるべく限られたスペースの会場を選ぶようにしてください。
プレゼンターが聞き手から共感を得るためには、心理的距離ももちろん、物理的にもできるだけ接近した位置で実施することが望ましいです。

広すぎる会場しか使えない場合
プレゼンは散らばって座らせてしまってはいけません。集中することができなくなります。

位置の確認
プロジェクタで資料を投影しながら、プレゼンをする場合がもっとも多いと思います。
そうした場合にはプレゼンターは聞き手と資料を映し出すスクリーンの双方が捉えられる位置を確保することが重要です。

会場の下見
会場の下見が事前にできるのなら、必ず行いましょう。当日まで見られない場合は開始時刻より1時間ほど前に訪れて下調べをしましょう。

下見のポイント
会場の広さ、レイアウト、出入り口の位置、電源の位置、空調の吹き出し口等
音(外部の音、エアコンやプロジェクタの音、ドアの開閉音など)
光(自然光での会場の明るさ、照明の明るさ)等などです。
音や光もふくめて、これら環境的な要素は、プレゼンの成功に大きく影響してきます。
限られた時間で集中できる環境が実現できるかどうか、チェックしてみてください。

<話し方を考える> 話し方の注意点とリハーサル


プレゼンテーションでは内容もさることながら、話し方とか話す態度がもっとも重要であると考える人が少なくありません。

自信の無さそうな態度ではいけませんし、落ち着きのない話し方でもいけません。
退屈な話し方はもってのほかですが、かといって流暢すぎると聞き手は「聞き手が置いていかれている」などとプレゼンから関心を失ってしまうということもありえます。

そんな中でも基本となる話し方は、実にオーソドックスなものです。

このような話し方で、自信を持って落ち着いて話しましょう。

絶対にやってはいけない話し方

1. 独断的に話さない「これ以外は絶対にないです~」

つまり、聞き手が不愉快に感じる可能性のある話し方をしてはいけません。

リハーサル
話し方をチェックするには、事前にリハーサルを行うと効果があります。

リハーサルには2つの大きな目的があります。

話し方、時間配分などをチェックするために行う
本番の予行演習として行う

1回でこの2つのことを達成することは難しいので、まず1回目で時間配分などのチェックをして、修正した内容で2回目のリハーサルを行うということがよいでしょう。

リハーサルとはチェックや予行演習だけではなく、手順の確認とその場にメンバーが慣れるためにも行われます。なるべく本番に近い状態でリハーサルを行いましょう。
そのためには、次のことが重要なポイントです。

実際の本番と同じように機材と資料をセットする
実際の本番と同じようにプレゼンターは声を出して説明する
複数の聞き役に参加してもらい、感想と評価をもらう

感想と評価はできるだけ忌憚の無いものをいただきましょう。
リハーサルを重ねることで大きな自信がつき、落ち着いて本番に臨むことができます。

 

<資料配布を考える>配布の工夫、話との関係


プレゼンには、大概の場合、聞き手のもとに資料が配布されます。
それは事前に配られたり当日会場で配られたりします。

配布する内容の工夫
プレゼンに集中してくれないから、と資料を配布することを懸念される人がいます。
そうした人の話を聞いてみると、極めて丁寧に資料を作っている場合が多いようです。
多くの情報が載っている資料が配られれば、聞き手はこれから始まるプレゼンに臨むために必要なのだろうと考えて資料の読み込みを始めていきます。

この結果、資料ばかり読んで聞き手が話のほうに集中してくれない、という現象が起こることがあります。
これを避けるためには、配布する資料の内容は、項目・見出し程度の情報に留めるようにし、個々の項目や見出しの内容は、プレゼンターの口から説明するという形にしてください。

また、プレゼンターの話と、資料の文言が同じものであったら聞き手はプレゼンターへの関心を失ってしまいます。資料では項目や見出しレベルで情報を小出しして「それはこういうことです・・・」と話し出せば、聞き手は集中してきます。

また、項目や見出しレベルの資料ですと、余白が目立つことになります。
しかし、これが逆によいのです。この余白にプレゼンターの話の内容や、聞き手が思いついたことをメモ書きすることになります。
自分がメモ書きした資料は、心理的になかなかすてられませんのでプレゼンターの提案した内容を保存してくれるという効果もあります。

尚、詳細な提案資料を作っていた場合はプレゼン終了後に何らかの手段で配布する、という形をとるといっそう印象のよいものとなります。

<資料の中身を考える-1>メッセージをいかに見せるか


ここでは、聞き手に示す資料の中身について考えていきましょう。
例えば皆さんが聞き手であり、下のような資料を渡されたとしたらどうでしょうか。

自分の持っている有益な情報を可能な限り、聞き手に伝えたい・・・。
こう考える人は多いでしょう。
しかし、情報は多ければ、くわしければよいのだというものではありません。
特にプレゼンテーションでは、限られた時間で必要な情報を確実に聞き手に与え、共感を得て動いてもらわなければいけません。
資料の中身も、すぐ見てわかり、聞き手にインパクトを与える内容でないといけません。

人間には、外界を知覚する機能が5つあります。視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚です。
この知覚のうち、視覚が占める割合は約 83 パーセントもあるのです。ほとんどの情報を目によって取り入れているわけです。
よく見せる、うまく見せる、効果的に見せる、という工夫がもっとも重要になります。

別の調査では、次のようなものがあります。人が1分間に得られる情報を字数に換算した研究があります。それによれば、次のようになります。

人が1分間で得られる情報量は、「書く」と 30 字で「話す(聞く)」と 300 字程度です。
これに対して、「読む」と 1000 字、「見る」と 2000 字分の情報が1分間で得られます。
特に「読む」ことより「見る」ことが倍の情報量を獲得できるという点は重要です。
つまり、情報を文字として「読ませる」よりほかの形で「見せる」ことがより効果的なメッセージになるのです。
プレゼンテーションという限られた機会で効果的にメッセージを届けるためには、それをいかに「見せるか」という点に工夫が必要なのです。

メッセージをいかに見せるか?
言葉以外のものにメッセージを変換して提示するということになります。
具体的には、図や表、イラスト、絵、写真などのオブジェクトを有効に活用しましょう。
資料はできるだけ視覚に訴えられるようにビジュアル化しましょう。

<資料の中身を考える-2>簡潔でわかりやすい資料を作る


前の Lesson で、資料はできるだけビジュアル化しようと説明しました。
ここではその際の留意点についてふれていきます。

一定の時間で多くの情報量が提供できるからと、あまり凝りすぎた図や表は聞き手をかえって混乱させてしまうことにつながります。
見やすく、わかりやすく、しかも誤解を生まないように気をつけることが必要です。
特に、誤解されるようなものは絶対に作ってはいけません。
そうならないためのポイントをあげます。

1. だれが見てもわかるものであること
この場合のだれとは、聞き手全員を指します。専門に携わっている特定の人だけで聞き手が構成されていればいいですが、プレゼンは通常、さまざまな職位の人が顔を揃えます。事前に出席者の顔ぶれが判明した場合、どの人にもわかるようにメッセージを工夫することが必要です。つまり、やさしくシンプルなメッセージを基調とするのです。

2. レイアウトやデザインを統一すること
聞き手の思考や集中を逸らさないために、資料で使うレイアウトやデザインは統一しておきましょう。
例えば、途中で出てくるグラフだけが違う書式で書かれていたりすると、聞き手は思考を乱されることがあります。レイアウトが統一できてないだけのことなのに「うまくまとまっていない」という印象を持たれてしまうこともあるので十分気をつけましょう。

3. 1枚の紙に、複数のメッセージをなるべく入れないこと
絶対に複数のメッセージを入れてはいけない、ということではありません。
しかし、できるだけメッセージはシンプルになるように心がけてください。
聞き手によってはメッセージが複数あると混乱してしまうことがあります。

4. 序論・本論・結論の3つで構成すること
これは「ストーリーを作る」の箇所でも、説明したとおりです。
限られた機会と時間で、聞き手の共感を獲得しなければならないので、ビジュアル化するときも、簡潔でわかりやすいこの三要素で資料を作成することを忘れないでください。

 

第2章のまとめ

この章では以下のことについて学びました。

目的を明確にする
最初の準備は「目的を明確にする」ことです。とくに慣れてしまうとプレゼンをすること自体が目的になりがちです。常に「なぜ今プレゼンをするのか?」から始めて「自分は何を伝えたいのか?聞き手に何を訴えたいのか?」を重ね合わせて考え、「聞き手が何を期待して聞くのか?」を十分に吟味することで目的ははっきりとしてくるのです。

聞き手を知り、理解力を知り、構成する
聞き手の情報をプレゼンターは事前に入手できます。これらをもとに聞き手の「理解力」を推察することが重要です。「理解力」のレベルで内容は大きく変わるので正しくリサーチすることが大切です。

序論・本論・結論の流れにストーリーを作る
プレゼンテーションは序論・本論・結論の三部で構成されます。序論はプロローグであり内容と目的を明らかにして聞き手の感心を引き、本論はプレゼンの内容そのものでありわかりやすく説得力があり詰め込みすぎない内容を提示します、結論はまとめであり重要なポイントを再提示して聞き手の判断と意思決定を促しプレゼンの目的を成立します。このように三部の構成をストーリーとして作成することが重要です。

余裕のある時間設定をする
プレゼンテーションの時間設定と配分は余裕をもった、つまり予定した時間の80%程度で組みます。これは不測の事態に対処する用意、当日の本番に落ち着いて臨めるだけでなく、聞き手との質疑応答や意見交換の時間を作ることで共感を得やすくなります。

十分な下調べからツールを選び活用する
プレゼンテーションでは道具をどこから調達し、どれを使い、そして実際に使えるかを調べて活用することが重要です。たとえ使用する道具が使えない緊急の場合でも予備資料と板書、口頭説明でしのげる準備と心構えも持っておきましょう。

場所となる会場で位置の確認や下見をする
社内外を問わず開催する会場には確認すべきポイントがあります。参加人数に合った限られたスペースを選びもし広すぎるなら聞き手を散らばらせず座らせましょう。プロジェクタなどを使用する場合は聞き手とスクリーンの双方が捉えられる位置を確保することも重要です。また事前の下見も可能な限り行いましょう。

聞き手に届く話し方と話す態度を実行しリハーサルでチェックする
プレゼンテーションでは内容に加え話し方や態度が重要です。自信をもって落ち着いて話すことが基本です。また事前に本番に近い状態でリハーサルを重ねることが話し方に加え時間配分のチェックや改善を行えます。

資料は配布の工夫や話す内容との関係を考慮して作成する
資料は事前か当日会場で配布しますが、その内容は項目・見出し程度の情報に留めます。また、詳細な提案資料を作る場合はプレゼン終了後に何らかの手段で配布するとよいでしょう。

資料からわかりやすくメッセージを伝える
限られた時間で必要な情報を確実に聞き手に伝えるには、資料の中身もすぐ見てわかる、インパクトを与える内容にします。とくに情報の多くは「見る」ことで得られるため、図や表、イラスト、絵、写真などのオブジェクトを有効に活用し視覚に訴えられるようにビジュアル化して「見せる」工夫が必要です。

見やすい、わかりやすい、誤解を生ませない、資料を作る
一定の時間で多くの情報量が提供できるとはいえ凝りすぎたビジュアル化は聞き手を混乱させます。「だれが見てもわかる」「レイアウトとデザインの統一」「1枚の中に複数のメッセージを入れない」「序論・本論・結論の3つで構成する」、この4つのポイントをふまえ作成しましょう。

第3章 プレゼンテーションの資料を作る

<チャート=図を考える>図の作り方を学ぶ ~ 図=チャートを考える


第3章は RPDCAのP(プラン)です。このレッスンではプレゼンにて活用する資料の作り方のポイントについて説明していきます。
前章で、人は「見ること」によって短時間で多くの情報を得られると説明をしました。情報を「読ませる」のではなく、「見せる」ことがより効果的なメッセージになるのです。
プレゼンテーションは、短時間で的確なメッセージを聞き手に与える手段ですので、いかに効果的に「見せる」のかを工夫します。ここでは「図を描く」ことを学んでいきます。

例えば、次のような経験を一度はされたことがあるのではないでしょうか。
あなたは町を歩いていて、旅行者にある場所へ行く道のりを尋ねられました。その場所をあなたは知っていたので、何とか教えることはできそうです。しかし道がちょっと複雑なので、それをどのように説明したらいいのかで、あなたはぐっと詰まってしまいます。何度もそこへの行き方を説明することになるでしょう。

これが日本語の通じにくい外国人に場所を尋ねられたときはさらに大変な労力をはらうことにもなります。
まず、どうやって説明してみたらいいのか、今まで学んだ単語を総動員して答えようとあなたは奮闘することになります。いずれの場合でも、口頭だけで道のりを説明するのは大変なことです。

しかし、場所を尋ねられたあなたの手元に紙と鉛筆があったらどうでしょうか?
場所を知っているあなたは、その2つを使って難なく現在地と目当ての場所を表すことができ、尋ね人のニーズに応えることができたのではないでしょうか。このように、言葉にしてみるとわかりにくいことでも、図にしてみれば一瞬で理解されお互いに情報を共有できることがあります。

 

<1枚の絵は千の言葉と同じ>長い文章でも、簡単な図になる


「One Picture is worth a thousand words」(1枚の絵は千の言葉に値する)という言葉があります。
1枚の絵や写真が千の言葉よりも雄弁にある事実を告げていることがあります。そこまでのインパクトはともかくとしても、図にも同様な効果が認められます。文章や言葉にすれば長いですが、1枚の図で表すと一瞬で理解できてしまうからです。

例えば、次の文章を読んでみてください。ある人が自分の会社の紹介をしています。

さあ、一読してみてどのようなことを伝えようとしているかがすぐわかりましたか?

「これは文章だから、わからないのだ」「口頭で実際に聞けばすぐわかる」のかというとそんなこともないようです。言葉は言った先から消えてしまい、聞き手がしっかりメモするか記憶しておかないと、さらに理解するのに時間がかかってしまいます。

それでは、上の文章を図にしてみたらどうでしょうか?

いかがでしょうか?先ほどの言葉の内容が、一瞬で理解できるのではありませんか?
経営管理本部や営業本部、人事部に能力開発課、それぞれの固有名詞がもつ関係がひと目でわかることができるのです。しかも、文字よりも長くイメージとして頭に残ります。

限られた時間と機会で、最大限の効果を引き出そうとするプレゼンテーションでは上手に図を描くことは欠かせない能力であることがおわかりいただけると思います。

 

<コミュニケーションを高める> 地図の効用、言語を越える


図の最大の効果は、瞬時に全体像が把握しやすいということです。
これは地図を例にして考えていただくとわかりやすいと思います。地図は、全体の様子と構造がひと目でわかるようになっていますが、これを仮に言葉だけで表そうとするとどういうことになるでしょうか。

データが膨大な量になり、そもそも正確な情報を伝えることが大変難しくなります。とても収拾がつかないことになるでしょう。しかも、目的地に行こうとする場合、現在の自分たちがどこにいるのかということも理解できていなければなりません。地図なら一瞬でこれらを理解することができます。

もちろん、すべての情報が図にできるわけではありません。内容によっては、文字や言葉のほうが適している場合もたくさんあります。
しかし、物事の構造や関係を表現しようとしたら図に優る表現手段はないのです。また、言葉や文章は最後まで聞き取るか読み取らないと意味がわからないという場合があります。

例えば次のような言い回しはどうでしょうか。

このような曖昧な文章は最後まで読み進まないと主張がどっちに行くか判断できません。
話し言葉や文章は曖昧さをふくんでしまうからですが、それに比較すると図の場合は、一瞬で中身を理解することができます。曖昧なものは図では表現が難しいからです。プレゼンテーションでは曖昧な表現は、歓迎されません。

図にはさらに特質があります。それは、図を見るすべての人にその内容がほぼ正確に伝わっていく、ということです。

しかも、ときに言語の壁をも越えることができます。
例えばワールドワイドな事業展開をしている企業において、ある情報を速やかに周知させたいといった場合は、同じ内容のメッセージを数か国語に記載して配信するよりも、1枚の図で示したほうがはるかに高い効果が期待できるでしょう(だれにでも瞬時に理解できる優れた図であるという条件がつきますが)。
世界中の人達と同一のメッセージで意思の疎通がはかれるコミュニケーションとしての機能も図にはふくまれています。

<リーダーは図を描こう> 図を描いて仕事に役立てる


優れたリーダーはデザインと構想力をもつ
ミーティングなどでは日常的に図を描いて説明することも多いと思います。1つ1つの言葉や文章として表すより、物事の構造や因果関係がひと目でわかる図にしてみたほうが、短時間でまとめられるし周知もしやすい、とお感じでしょう。

リーダークラスの人達には、メンバーと比較してより多くの知識と情報が集まります。それらの情報は日々、大量に送られてきておりかつ刻々と変化しています。情報を適宜、評価し判断して取捨選択をしていく、これを毎日繰り返しているでしょう。こうした情報を、図に描いて整理することで、その取捨選択を容易に行うことができます。

リーダーの仕事とは、メンバーの仕事をデザインすることとマネジメントすることです。そのデザインや構想をまとめるのに、図を描く作業が高い効果を発揮していきます。図を描く、ということがプレゼンテーションはもちろん、リーダーとして欠かせない能力の1つでもあるのです。

ただし、その能力を十分に発揮するために必要な条件があります。それは時間です。決して「時間がないから、いい図が作れない」と考えることのないようにしましょう。「短時間で、どうやったらよいか?」とポジティブに考える姿勢を指向してください。限られた時間で、ポイントを絞った図をどんどん描くことを心がけてください。まずは、そのような心構えをもつことから始めましょう。

 

<自信を持ってまず描く>参考程度にして、自分で決める


専門家の意見に流されない
図を描くことは、大変なようで案外負担のかからない作業です。描くときはできるだけ、大胆に考えて作ってみてください。
大胆に描くうえで、注意しておく点があります。それは、専門家の言うことに大きく頼りすぎないようにするということです。ある情報について、いろいろ調べて考えをまとめようとするとき、その分野での専門書や専門家の意見を参考にすることがあります。

このとき、専門家の意見に依存してしまうと、図に描いてみても、ありきたりな結論を導き出すだけということになってしまいます。図を描くベースは、あくまでご自分の考え方にあることをよく認識しておきましょう。専門家はその分野でのプロですから、もちろんその意見には何らかの価値はあります。

専門家、例えば大学の教員などは純粋な『研究者』としてその分野に通じているわけです。ところが私たちは、『研究者』ではなく、多くは何かの『実行者』としてそれに関係します。
『研究者』は『実行者』と違い、実行したことに際しての責任をとる立場にはありません。
『研究者』の意見はあくまでも参考としてとどめておき、『実行者』である私たちは自らの責任においてそれを考え、実行していくという姿勢が必要なのです。
しかも、専門家が知る多くの細かいことを私たちが知る必要はそれほどありません。

図を描くうえで、自前で考えるという行為は大変に重要なことです。
『皆が言うから・・』『専門家はこう言っている』という過剰な思い込みはいったん止めて、不器用でも自前で考えていくように心がけていきましょう。

<図を描くステップ> アイデアを出してまとめて表現する


バラバラ~体系化~表現
図を描くことは、大きくは次の3つのステップを順番に踏んでいくことです。

1.描く要素を出す
まず要素を出します。はじめて図を描こうとする場合、自分が思いついたこと、関心のある要素をどんどん出していってください。
その内容が自分からみて、つまらないものに思えたとしても自由に描いていいのです。わからないものはその場では、思い切って考えるのを止めて、わかるところから自由に図を描いてみましょう。

2.要素をまとめる(体系化する)
思いついた要素はその時点ではまだ、単体でバラバラの状態です。
ところが図に描きだしてみると、それぞれの要素の関係や、全体の構造などがなんとなく浮かび上がってくるのです。
『これは、つまりこういうことではないのだろうか?』
『これとこれはつなげることができる、そうするとこれも考えられるじゃないか』
などなど、何度も書いたり消したりを繰り返します。

そうしていくうちに、次第に1つの体系にと形を整え始めていきます。その際に、それまで思いつかなかった新しい要素も出てきて、体系を補います。ついには描かれた要素が自分のものとして身についてきます。

3.まとめたものを表現する
要素がまとめられて、まず自分がその内容を理解できました。次にその理解できた内容を、ほかの人達にわかるように伝えて(表現して)いきます。
人にものを伝えていくのは、その事柄について正確に理解していなければなりません。自分だけがわかるメモのようなものでなく、構成がきちんとしていて、はじめて見る人でもわかるようなメッセージを出すように心がけてください。

 

<描く習慣をつけよう(1)ロジックとイメージの両方を使う> 創造力と論理力をバランスよく


ロジックとイメージの両方を使う
図はとりあえず描くところから始めてみましょう。簡単なものでかまいません。ただし、描くうえで単に文章や、箇条書きを羅列するといったことはしないようにしてください。どんな図でも、○や→という記号を必ず用いるようにしてください。

人間の脳は、論理を司る左脳と情緒を司る右脳に分かれていることはご存知だと思います。
日常生活、特に仕事では左脳を使うような場面がより多く、知識や情報、ロジック を蓄積するのに使われているといわれています。
一方で、右脳は音楽や美術など感性に拠る能力、情緒を司るといわれています。たとえば創造力という能力は、右脳で磨かれていくものです。

社会生活を営んでいくうえで、論理や一定のフレームワークを理解しておくことは大変に重要であり、ビジネスの場ではなおさらこれが求められてきます。その意味では左脳の働きをより重視するのが現代の社会であるといえるでしょう。

一方で、人間には目や耳や鼻といった五感を感じ取れる器官も備わっており、これらを使って物事を感じ取り、判断することもまた多いのです。図を描くという行為は、どちらかといえば右脳を駆使して行われています。

イメージを作っていくということなので、感性の能力がより求められてくるからです。とはいえ、仕事で使うのですから、盛り込む内容はロジックを司る左脳からもってきます。
よい図を描くには、この両方の脳をバランスよく使っていくことが求められています。まず簡単なものを描いてみて、左右の脳を意識しつつバランスを整えていってください。

<描く習慣をつけよう(2)大きな仕事もできる> 図を描くと思考力も伸ばす


図で考えると大きな仕事もできる
図を描く習慣をつけることは、プレゼンに役立つだけではなく、大きな物事を構想するときにもその威力を発揮します。

例えば、経営方針や企業理念を新たに決めようというときのことを想像してみてください。
重要と思う言葉を列挙するだけでなく、それらをグルーピングしたり、易しく言い換えてみたり、何気なく図にして描いていることが多いのではないでしょうか。
方針や理念はだれにでもわかりやすい言葉で構成していくことが必要ですから、図を使ってしっくりする言葉を選び出そうとすることが多いのではないかと思います。

言わば、自分の頭の中身を外に取り出して整理しているというような感覚でしょう。自分の頭だけで考えるのと違う点は、その取り出したものをほかの人たちも同時に見ることができる、ということです。
ここで、全員の総意や工夫を集めていくことができ、大きな構想を作るなど英知の結集が必要なものはより効率的に生み出すことができるようになります。
いったん図に描いてみると、頭のなかでははっきりしなかったことがクリアになり、図の周辺にいろんな関係する概念があるのだということに気づかされることが多いようです。

例えばある量販店が、新しいスローガン を立てようとそれまでのポリシーであった『どこよりも低価格』『充実したアフターサービス』という文言を図に表してみたところ、これら2つを統合するような概念の必要性に気づきました。

「どこよりも安く売りながら、アフターサービスを充実させるとはどういうことなのか?」
つまり、それはお客様に喜んでいただくことではないのか?ここで、主役はお客様であることをはじめて思い知らされたのです。そこからその店では両方を包んだ概念である「顧客満足」というスローガンを立てました。図の効用はこんなところにもあらわれているのです。まず描いてみることが重要です。

 

<描く習慣をつけよう(3)自己表現力も伸びる>
描くことで、知識の再構築が可能


自己表現力も伸びる
図を描くことで、自分の表現力も伸ばしていくことができます。
前にも説明しましたが、いったん図に表してみると、それまで思い浮かばなかったことや周辺の概念などが見えてくることがあります。それらはどんどん図に書き足され、また何度も書き換えられることになります。この書き足したり書き換えたりしていく作業で、知識や情報が一段と蓄積されていきます。

つまり図を描いたり消したりして、次第に形を整えていくという作業は頭の中身を整理することと同じ働きをしていると考えられます。これを別の言い方で表現してみましょう。
図を描くことを表現力、図に表す事柄を知識としてとらえてみますと、この2つは車の両輪のようなものとたとえることができます。
知識をもつことは大事ですが、それをどうやって生かしていくかがさらに重要であり、ここでは図に描くという作業が、知識を生かしていくことにあたります。

描くことで、もっている知識や情報がそれまでとは違った動きを見せることがあります。
新しい知識や情報を誘引してきたり、新たに接続させたりすることができるのです。
「あ、これは○○にもあったことじゃないか?」、「これは既存の△△とくっつけることができるかもしれないぞ!」などなど、このような経験はだれもがされたことがあるだろうと思います。
このように、図を描くことは知識の再構築という面をもち合わせており、それまでの自分の知識と新しい知識とを接続させて自分の表現力を伸ばすことができるのです。

<描く習慣をつけよう(4)大事な概念は図で考えよう>
描いていくコツ

大事な概念は図で考えよう
とりあえず、簡単な図を描くことから始めましょう。関心ある事柄を図に描くことで、知識の整理と構造化を進めていくことは仕事の上でも役立ちます。

こうしたものを、描いていく場合の簡単なコツを説明します。
まず、大きめの紙に大きな幹をもった木の絵を描きます。そしてその太い幹の中心に、もっとも重要と思われるテーマを1つ書きます。

ここでは、わかりやすい例として『タバコは吸うべきではない』と置いてみましょう。
幹から分かれた枝やその先の小枝の部分に、『タバコは吸うべきではない』に関連したさまざまな出来事や情報を、太い枝から順に書き込んでいくというものです。

『タバコは吸うべきでない』というテーマに対してそれはなぜだろうか?と考えます。
思いついたことを周りにどんどん書き足していってください。ここではいくつあげてもかまいません。

この例では幹のもとの枝では『健康に悪い』や『環境への影響』といった事実や情報です。
小枝のほうには、それらを補うさらに細かい情報や事実を付け加えていきます。

その木の絵全体で、『タバコは吸うべきではない』が一体どういうものであるのかを表していきます。

これはまさに図を描くことのメリットを最大に享受した方法であるといえます。自らが作ることで内容を確実に覚えていくことができます。作ってみては全体を眺めて見直してみてください。そして何回かの描き換え、情報の並べ替えによって背景や難しい構造を一目瞭然に把握することができるわけです。

このように、大きな出来事や難しいものほど図に描いてみると理解しやすくなります。

 

<描く習慣をつけよう(5)大胆に構想、細心に描く> まず自分の考えを整理しよう


大胆に構想、細心に描く
図を描く際は『構想は大胆に、描くときは細心に』といきましょう。「木を見て森を見ず」という言葉があります。ある物事のディテールにこだわってしまって、全体をとらえることなく見過ごしてしまうことを戒めた言葉です。

描く場合に大事なのは、視点です。描く視点をやや高みに置くように意識しましょう。
ただし、この視点は高すぎてもいけません。例えば、車で東京から横浜に行こうと考えるときに、日本地図を見て考えるということはないと思います。通常は、東京都と神奈川県が載った道路地図を見ることでしょう。

目的となるものを見るのには、適度な距離感をもつ必要があります。感覚的には人の目の高さよりも少しばかり高いところ、ちょうど鳥が飛んでいる高さを意識してください。
図に限らず、物事を見るときは接近するだけでなく、やや高みからも眺めるような心の余裕をもってください。視点を変えてみることで新たに気づくことが必ずあります。

そのような高みから、街や道を見渡すという経験は私たちにはあまりありません。だからこそ、図を描く場面では、一段高みに立ったところから大胆に物事をみていくように意識をもちましょう。

視点がここで決まれば、あとは描くべき内容を大胆に構想していきましょう。
前 Lesson で触れたとおり、太い幹をもった大きな木を描き、大きなテーマを幹に書いて、枝葉の項目を書き足していきましょう。

このとき、テーマに関連することで思いつくものはどしどし枝葉にあげていきましょう。細心にモレのないように考え付くものはすべて出し尽くします。やや高い視点から、中心の太い幹に大きなテーマを据えること、続いて枝葉を関連する情報で埋めつくしていくということを鉄則として覚えておきましょう。

 

<図はキーワードの塊> ほとんどはこの2つで表現が可能


○と矢印だけで描いてみよう
図は、文章とは違って、一見すると多くの意味や表現があるようには見えません。
しかしよく見ると実は多くのキーワードや意味が集まっていることが多いのです。

例えば、交通標識で考えてみましょう。
車を運転していてたくさんの標識・標示を目にしますが、峠道を走っていて「警笛鳴らせ」という標識を目にした場合、単に警笛を鳴らせばいいとだけ考えるでしょうか?

この先に合流する道があって、ほかの車が合流してくるかもしれない、
対向車線にいる車がこちら側にはみ出しそうになってしまう道なのかもしれない、
木が邪魔して見通しが極端に悪くなってしまうのかもしれない、
あまり車が通らない道だからと歩行者が安心して歩いているのかもしれない・・・

などなどさまざまな可能性を、道の先に想像してしまう方が多いのではないでしょうか。

ほかにも、電車に乗っていて優先席の標示を見ると、年配の方だけが優先で座れる席なのだなと思うでしょうか?それに加えて、けがをしている方や妊婦の方、小さい子供連れの方がいれば優先して席を譲ることや、平常時には自分はなるべく座らないようにしておこうといったことまで思いあたることでしょう。

日常生活で目にするこれらの図や標示は、私たちにさまざまな意味合いを発信しているのです。
私たちが少しだけ想像をしてみれば1枚の図に描かれている○(丸印)や→(矢印)のなかにも、さまざまなメッセージがこめられているとわかります。
そしてそれらは、私たちの生活を確実に支えています。


 

<図形のいろいろ(1)マル印について> つなぐ、仕切る、ふくむ、重ねる・・・の4つが代表的


○について
図を描くにあたってまずは、○印と矢印だけで描いてみることから始めましょう。
この2つが基本であり、そのほかの図形は、○からの派生と考えてよいでしょう。
ここでは、○という基本となる図形について考えていきます。

○印は、そのままでは単なる1つの要素ですが、○印を使った図形の代表的なものには、次のような4つのパターンがあります。

つなぐ:それぞれの要素が、互いに関係していることを表すときに使います。

重ねる:それぞれの要素が、「つなぐ」より深く関係しているときに使われます。また、重なった部分は何らかの新しい価値をもつと表現されることが多いものです。

ふくむ:ある要素の中に、別の要素が完全にふくまれているという場合に使います。

仕切る:要素の中が分けられてあり、構造化した状態です。
その構造を表現したいときに使います。要素の数だけ仕切り線の数が増えていきます。

図を構成するのは上の4つ、すなわち何かを「つなぐ」「重ねる」「ふくむ」「仕切る」に大別されていると考えればよいでしょう。
このうち、「つなぐ」「重ねる」「ふくむ」は、複数の図のある関係性を表したものです。「仕切る」だけは、複数の図形ではなく1つの図形をあるルールによって分割しているという、意味合いの違っているものです。

基本的に、○印を使った図はこれら4つの概念で構成されています。複雑な図もすべてこれらを表しているか、これらパターンを複数組み合わせたものであると考えて差し支えありません。

<図形のいろいろ(2)矢印について> 視線にもっとも影響を与える図形


矢印について
矢印とは、2つの要素である「矢」と「線」とで構成されています。矢印は、もの同士をつなぐ、太さや長さを変えることで対象物を強調する、方向を示す、ニュアンスを表現するという4つの機能をもっています。

矢印は、対象物同士の関係をあらわし、視線にもっとも影響を与える図形であるといえます。

つなぐ:対象物同士の関係を表します。矢の向きによって関係性がわかります。

強さ:線の太さと大きさなどを変えることで表現されます。強調する際に用います。

方向性:どこからきてどこに向かうのかを矢の向きによって表しています。

ニュアンス:矢印を組み合わせるなどしてさまざまな意味合いを表しています。
サイクルやスパイラルや伸びなど、対象となるものの動きを表すのに使われます。

○印と矢印を使って図を描く際には、あまりたくさんの図形を使わないようにします。図形を多く用いると全体が煩雑になり、見る側の視線が混乱してしまうからです。
また、矢印については、長さや太さを統一して、強調すべき点を際立たせるようにして使ったほうがよいでしょう。資料を描く前に長さや太さなど、あらかじめ決めておくのがよいでしょう。

 

<グラフ> データを読ませることなく理解させる


グラフの目的と上手な活用
ここからはグラフについてその目的と上手な活用法について学習していきましょう。
広い意味ではグラフも図の一種です。しかしグラフには特別な機能もふくまれています。プレゼンテーションの目的には、受け手を説得するというものがあります。受け手を説得する場合、だれしもが理解できる客観的事実を提示することが効果的になります。多くの場合、客観的事実とはデータ(数値)のことを指しています。グラフはこのデータ(数値)を、受け手に理解してもらうための仕組みといえます。データを「読ませる」のではなく「見せる」ことで容易に理解していただけます。

グラフのもつ機能

(1)内容を短時間で視覚的に理解できる
グラフは、あるものの比率や較差、伸び率、構成といったプレゼンターが訴えたいことをひと目で示してくれます。

(2)特定の法則性や傾向、隠れていた事実の発見ができる
グラフを見ていると、そのデータ(数値)から特定の法則や傾向などがわかり、隠れていた事実を発見できることがあります。たとえば、顧客の年齢構成のグラフから、ターゲットとすべき年代の顧客が浮かび上がってくるといったことがわかります。

(3)おおまかな計算に利用できる
グラフのデータ(数値)を用いながら、受け手の関心ある項目の計算に利用することができます。
たとえば自社の損益計算書が受け手の手元にあれば、その数字を用いて売上に占める利益率を算出できるなど、ほかの用途に活用することができます。

グラフの使い方に習熟して、プレゼンテーションの成功をより確かなものとしましょう。
次 Lesson から、主なグラフについてその目的や適切な使い方を考えていきます。

 

<グラフの種類(1)円グラフ> 内訳を表す


円グラフ 内訳を表す
グラフは、大きくは3つの目的から構成されています。その1番目が内訳です。円グラフとは、全体に占める構成要素の内訳を見るときに用いるグラフです。絶対数を見るのではなく、全体のなかである要素がどれだけの率を占めているかを確認します。円グラフの例を見てみましょう。

 

もう少し複雑な円グラフです。

左は半円グラフです。1つの半円が 100%を示しています。相対関係にある2つの項目についてそれぞれの構成要素を比較したい場合に用いることがあります。
右は二重円グラフ 円グラフを構成する要素のさらに内訳を表したいときなどに用います。

ただし半円グラフも二重円グラフも作成に手間がかかることもあり、あまり広く活用はされていません。棒グラフなどほかの種類で代替ができます。

 

<グラフの種類(4)そのほかのグラフ> 複合したグラフ、ヒストグラムなど


そのほかのグラフ
ここまでは主なグラフを見てきました。グラフには主に内訳、差、推移という3つの機能があります。ここではそれ以外の機能をもったグラフについて説明していきます。

(1)散布図

散布図とは2つのデータの関係を表すときに用います。縦軸と横軸の交差するところにデータをプロット して、その点の散らばり方で特性を判断していくというグラフです。縦軸の数値が上がった場合に、横軸の値も増加する傾向があるときを正の相関、逆に減少する傾向があるときを負の相関といいます。

たとえば、上の図では気温と冷たい缶コーヒーの売上本数の関係を表しています。気温が高いほど売上本数も多くなる傾向がわかります。

(2)レーダーチャート

レーダーチャートは、各項目を評価して、全体のばらつきや特異性などを判断するために用いられるグラフです。各項目間に特に相関関係がなくてもかまいません。自社と競合との比較などをするときに便利なグラフといえます。

(3)複合グラフ

棒グラフと折れ線グラフを複合させたグラフがあります。
上のグラフの場合は折れ線の名古屋地区が東京大阪に比して際立って示されます。複数の同じ性質を持った要素のうち、ある要素を特に注目させたい場合に複合グラフを用いると効果的です。

<訴求ポイントを明確にする> 図のメリハリの付けかた


何をいいたいか?を強調する
さまざまな図を描きながら、常に自分に問いかけてみてください。
ここで何をいいたいか?何を一番理解してもらいたいか?伝えたいことを図にして適切に表現することを心がけましょう。図は立派なものを出されるが、何を言いたいのかがよくわからないということのないようにしましょう。

淡々と話をして、説明をしただけでは、聞き手はあなたの訴えたいメッセージを理解するのに時間がかかってしまいます。同様にメリハリのない図では、どこがポイントなのかわからなくなってしまいます。それを避けるために、強調するポイントをはっきりさせておきましょう。

強くメッセージを訴えたいというときはほかより大きく描いてみたり、太線で囲ってみたり、色を使ってみたりして、目立たせてみましょう。

次のような例もあります。
あなたが競合他社と売上高の比較をしてみたいと図にしてみました。

数本の棒グラフを使ってそれをあらわしてみましたが、自社売上を示す棒が長すぎて図が全体的に小さくまとまってしまいました。あなたは意図したい大きなギャップをアピールするには不十分と感じました。しかし、このグラフに省略を表す波線を加えてみるとどうでしょうか?

ギャップがより強調されて、あなたの意図は正確に聞き手に伝えられることになります。このように強調したい点を際立たせることで、あなたのプレゼンテーションは説得力が増してくることになります。ここをアピールしたい!という箇所を効果的に加工していきましょう。


 

<グラフの種類(2)棒グラフ>  違い(差)を表す


棒グラフ 差を表す
棒グラフは円グラフと異なり、あるデータ(数値)の絶対量を表すことができます。要素同士での比較や差を表すのに適しているグラフといえます。

下の図は代表的な棒グラフです。絶対量を棒の長短で示し各項目を比較します。製品Xの売上が1,2,4月に比して3月が飛びぬけて多いことがひと目でわかります。

積み上げ棒グラフ
各項目の総数とそれぞれの構成要素の実数の両方を比較するときに用いられるグラフです。
上の製品Xの売上で、東京だけでなく名古屋と大阪地区でそれぞれどれだけ売れているかを表しています。

比率を表す棒グラフ
棒グラフは円と同じようにある要素の構成を表すこともできます。上の図は、製品Xを各月に各地区でどれくらい売り上げたかの構成を示しています。

 

<グラフの種類(3)折れ線グラフ> 推移(移り変わり)を表す


折れ線グラフ 推移を表す
ある項目の数値が、一定時間の経過に伴ってどのように変化をしていったか?こうした推移する数値の状態を確かめるのに適しているのが折れ線グラフです。

折れ線グラフでは、縦軸には数量や数値を、横軸には時間軸をとることが普通です。また、1本の線だけではなく何本もの線がグラフを走っている形がほとんどです。1本の線で1つの項目を表し、複数の線が走っている場合は、推移の比較ができます。比率や量を表すというよりは、推移を見ることに主眼が置かれているといえます。

グラフの例

(1)標準的な折れ線グラフ
縦軸に数量・数値、横軸に時間をとって、線の傾きによって傾向を見ていきます。

(2)マーカー付折れ線グラフ
データの折れ線にマーカーが付けられた場合です。どの時点でどのくらいであったかをさらにわかりやすくしています。

(3)立体的折れ線グラフ
折れ線を立体的に表現しているグラフです。よりダイナミックな印象になります。

(4)折れ線の亜種
折れ線グラフと同じ性質をもっているものに面グラフがあります。
折れ線の領域を面として表していて、よりダイナミックな推移と共に量のイメージも受け手に与えることができます。

面グラフを使うには注意点があります。折れ線と異なり、データによって各項目が見えにくくなることがあるのです。このグラフを活用する際には十分留意してください。

第3章のまとめ

この章では以下のことについて学びました。

「見せる」ための「図の描き方」を学ぶ
プレゼンテーションは短時間で的確なメッセージを聞き手に与える手段です。図にして一瞬で理解し、お互いに情報を共有するためには図の作り方がポイントになるのです。

長い文章も簡単な図にしてわかりやすく伝える
言葉は発せられればすぐに消えメモするか記憶しなければ理解に時間がかかるため、上手に図を描き一目で理解できるものにすれば有効です。そして図は文字よりも長く頭に残るのです。

図は瞬時に全体像が把握しやすく見る全ての人にその内容を正確に伝える
図の効果は瞬時に全体の様子と構造が把握しやすく、見るすべての人にその内容がほぼ正確に伝わることです。物事の構造や関係を表現しようとしたら図に優る表現手段ありません。

リーダーはデザインと構想力をもち図を描いて仕事に役立てる
リーダーに集まる大量の知識と情報は適宜、評価し判断して取捨選択する必要があります。そのさいに図に描いて表せば整理が容易になります。またメンバーの仕事のデザインや構想をまとめるのにも図は高い効果を発揮します。この能力を十分に発揮するには短時間でポイントを絞った図を描けるよう心がけることが大事です。

専門家の意見は参考程度にし自分で図を考え描く
図は案外負担のかからない作業であり大胆に考え作れるものです。そのためには専門家の意見はあくまでも参考にし、「実行者」である私たちが自らの責任において考え実行する姿勢が大切です。

アイデアを出しまとめて表現し図を描く
図を描くときは「描く要素を出す」「要素をまとめる(体系化する)」「まとめたものを表現する」と3つのステップを順番に踏みます。関心のある要素をわかるところから自由に描き、関係や構造を1つの体系に整え理解し、その内容をほかの人たちにわかるように表現することが「図を描く」ことなのです。

ロジックとイメージを両立させて描く
図を描くには単に文章や箇条書きを羅列させず○や→という記号を必ず用いましょう。論理や理解を司る左脳と、感性を司る右脳をバランスよく使い簡単なものから描いていきましょう。

図を描き思考力を伸ばせば大きな仕事もできる
図に描くことで頭のなかではっきりしなかったことがクリアになり、その周辺にもいろいろな関係する概念があるのだと気づきます。ほかの人たちも同時に見れるため、全員の創意工夫の結集が必要な大きな構想をより効率的に生み出せるのです。

描くことで知識は再構築され自己表現力も伸びる
図を描くことを表現力、図に表す事柄を知識としてとらえれば図に描くという作業が知識を活かしていくことになり、また描くことで新しい知識や情報を誘引して新たに接続させる、つまり知識の再構築でありこれが自分の表現力を伸ばすことになるのです。

大事な概念は図で考え理解していく
例えば大きな幹を持った木の絵を描き、太い幹の中心にもっとも重要なテーマを、分かれた枝に関連したさまざまな情報を太い枝から細かい枝へ書き込みます。こうして絵全体でテーマを表現することで内容を確実に理解し、何回かの書き換え・並べ替えによって背景や構造を把握できます。 大きな出来事や難しいものほどこうした描き方で理解しやすくなるのです。

図は大胆に構想し細心に描く
描く視点はやや高みから大胆に物事をみていくように意識します。視点を決めて大胆に構想していくときには、細心に漏れなく考え付くものは全て出し尽くしましょう。

メッセージは○と→でほとんど表現できる
図は簡略されていますが多くのキーワードや意味が集まっています。日常生活で目にする交通標識を思い浮かべればそこにこめられた意味がいかに大きいかお分かりでしょう。そして多くのキーワードや意味は○と→でほとんど表現できるのです。

図の基本であるマル印
マル印を使った図は基本的に、要素が互いに関係していることを表す「つなぐ」、要素の中が分けられ構造化しそれを表現したいときに使う「仕切る」、要素の中に別の要素が完全にふくまれている「ふくむ」、要素が、「つなぐ」より深く関係し重なった部分は何らかの新しい価値をもつ「重ねる」の4つの概念で構成されています。

図の基本である矢印
矢印の機能は対象物同士の関係を表し、向きによって関係性がわかる「つなぐ」、強調する際に線の太さと大きさなどを変えて表す「強さ」、どこからきてどこに向かうのかで表す「方向性」、サイクルやスパイラルや伸びなど組み合わせでたさまざまな意味合いを表す「ニュアンス」の4つです。

その他の図形のイメージを知る
基本となり明快さや簡潔さ、自然さや温かみなどの性格の「丸形」、落ち着きや安定感、信頼、単純、人工的などの性格の「四角形」、インパクトや硬質、冷たい、かっちりした、バランスなどの性格の「三角形」、斬新さやインパクトの性格をもつ五角形や六角形などの「多角形」、四角形の性質に加えて、実在感やダイナミズムといった性格の「立体形」、インパクトや自由、不規則さといった性格の「自由図形」がそうです。それぞれの性格をよく覚えて使い分けましょう。

印象を強くするタイトル・キャッチフレーズ・コメント
図形の中の文字は文章のそれと違い図形のもつ意味合いを指し示す意図で使います。主に、図の示す意味や本質をインパクトある言葉で表す「タイトル」、タイトルの補助的に用いる「キャッチフレーズ」、送り手の意図するところへ受け手の道筋を付ける「コメント」の3つです。

図形や文字をたくさん用いずに優れた図を作る
図を描く時、ポイントや課題点を挙げて構成しますが、箇条書きの羅列になり図として表現できないことがよくあります。これを防ぐにはポイントや課題・問題点をルールを定めた中で挙げポイント同士の関係を確かめる「吟味」という作業が重要なのです。

構図を活用し多様なメッセージを簡潔でわかりやすく表現する
図を描くためには構図が必要です。複雑な意味合いを持つ図もマル印と矢印だけを使い矢印の向きと色使いの違いだけで構成できるからです。拡大・分散・放射・波及・伝播、集合・集中・吸引・一極化、など文字では複雑な内容もまたそのニュアンスの微妙さも使い方一つで受け手の理解が促進され、注意もひけるのです。

目線を考えた図で描いていく
図を描くために必要な構図のもう1つは「視覚的に見て無理のない」ことです。メッセージを見やすくわかりやすくするための「全体のバランス」、動きを理解し重要な箇所にはほかと違う色を用いたり、線を太くして強調する「視線の流れ」、あえて何も入れないで図を強調するための「余白の活用」、この3つのポイントを活用しましょう。

グラフの目的を知り上手な活用でプレゼンテーションを成功させる
グラフはだれしもが理解できる客観的事実すなわちデータ(数値)を提示し「読ませる」のではなく「見せる」ことで受け手に理解してもらうための仕組みです。「内容を短時間で視覚的に理解できる」、「特定の法則性や傾向、隠れていた事実の発見ができる」、「おおまかな計算に利用できる」という3つの機能を活用してプレゼンテーションの成功を確かなものにしましょう。

「内訳」を表す円グラフ
グラフのもつ3つの目的の1つが「全体に占める構成要素の内訳」です。これに用いるのが円グラフであり、構成要素の内訳がすぐにわかる「代表的な円グラフ」、それぞれの構成要素に強弱をつける「分割表示された円グラフ」の2つを主に用います。

「違い(差)」を表す棒グラフ
「あるデータ(数値)の絶対量を表し、要素同士での比較や差を表す」のに適しているのが棒グラフです。絶対量を棒の長短で示し各項目を比較する代表的な棒グラフのほか、各項目の総数とそれぞれの構成要素の実数の両方を比較する「積み上げ棒グラフ」、円と同じようにある要素の構成を表せる「比率を表す棒グラフ」、この3つが主に用いられます。

「推移(移り変わり)」を表す折れ線グラフ
「推移する数値の状態を確かめる」のに適しているのが折れ線グラフです。縦軸に数量・数値、横軸に時間をとり線の傾きで傾向を見る「標準的な折れ線グラフ」、データの折れ線にマーカーを付けどの時点でどのくらいであったかをさらにわかりやすくする「マーカー付折れ線グラフ」、折れ線を立体的に表現しよりダイナミックな印象を与える「立体的折れ線グラフ」の3つが主に用いられます。

そのほかの機能をもつグラフ
さきに説明した3つ以外の機能をもつグラフもあります。縦軸と横軸の交差するところにデータを点で打ち、その散らばり方で特性を判断し関係を表す「散布図」、各項目を評価して、全体のばらつきや特異性などを判断する「レーダーチャート」、棒グラフと折れ線グラフを複合させる「複合グラフ」、です。

図にメリハリをつけ主張したい内容を強調する
伝えたいことを図にして適切に表現するためには強調するポイントをはっきりさせたメリハリのある図にすることです。強くメッセージを訴えたい点や箇所は「ほかより大きく描く」、「太線で囲む」、「色を使う」、など効果的に加工し際立たせることで、プレゼンテーションの説得力が増します。


第4章 プレゼンテーションを実行する

<バーバルとノンバーバル> 言葉と身振り手振りを活用する


説得的に話す
プレゼンの事前準備をすべて完了したあなたはいよいよ本番をむかえます。RPDCAのDO =プレゼンの実行について学んでいきましょう。
プレゼンを行い、聞き手に共感を与え、こちらの望む方向に聞き手を動かすことができるかどうか?あなたの力量がこれから試されることになってきます。聞き手に対して説得的に話をするように心がけましょう。

バーバルとノンバーバル
聞き手に何かを伝えようとする際にどんな方法を用いるのか考えてみましょう。
まず、言葉を使うでしょう。いろいろな単語と語句を組み合わせ文章を作り口に出します。それ以外には、図を作って見せます。図形であったりグラフであったり、何かの表であったりします。これらはすべて言語(バーバル )に基づく情報の提示です。

さらに、言葉以外の表現方法があります。身振りや手振りで示す、態度で示す、さらに顔つきや目だけで表現するという場合もあります。これらは非言語(ノンバーバル )に基づく情報の提示です。

言語(バーバル)と非言語(ノンバーバル)、これら2つの方法を駆使して聞き手にメッセージを伝えていくのです。

信頼を得る第一歩
聞き手を説得するためには、適切な言葉を選び、見やすい資料で聞き手にわかりやすく説明していかなければなりません。
同時に、無理のない笑顔でリラックスした状態を保ちつつ、メリハリをつけて話していかなければなりません。どちらか1つでも欠けていたらプレゼンはうまくいきません。こうして、聞き手の信頼を獲得するはじめのステップをクリアしていきます。

<事実と言いたいことを分ける> お願いだけではだめ


事実をまず伝える
あなたはプレゼンで、言語と非言語を使って聞き手にメッセージを伝えます。では、最初に何を伝えればよいのでしょうか?
例えば社内でのプレゼンの場合。職場環境の改善を提案するとしたらどうなるでしょう?たとえば、「冷房が効きすぎて寒い」「会議室の利用が混乱」「パソコンの絶対数が足りない」など。そういう際にはまず、事実を伝えるはずです。「寒いので、女性スタッフはカーディガンを着ています」「使ってないのに会議室の予約が入っています」「新人が入ったのにパソコンが必要分の台数ありません」など。

意見を伝える
まず、事実は伝えました。しかしこれでは事実を示しただけです。プレゼンはこれだけで終わってしまうことはまずありません。事実だけですと「それで、どうしたいの?」と話は終わってしまいます。
冷房の設定温度を上げようとか、むやみにエアコンをつけないようにしようとか、そういう意見を伝えなければなりません。あなたは例えばこういいます。「28 度を下回る冷房は止めるようにしましょう」。と。示した事実にはつねに意見をセットするように心がけましょう。

思いを添える
「28 度を下回る冷房は止めるようにしましょう」を意見として伝えたとします。しかし、それだけでは不十分な場合も多いのです。プレゼンは共感してもらうことがまず大事であり、そのためにはこちら側の思いや熱意を伝えなければなりません。それは「寒すぎることで仕事に集中できず、能率も上がりません。より働きやすい、快適な環境を用意することも、組織の重要な役割ではないでしょうか?」「営業が外回りから帰ってきた際、気持ちいい環境を望む気持ちはよくわかります。しかしずっと内勤でいるスタッフのことも考慮していただくと、能率向上と目標達成に大きく寄与すると思います」等の言葉で思いを訴えるということです。もちろん「ここは寒すぎませんか?何とかしましょうよ!」などと感情が先走った意見は出すべきではありませんが、こちら側の思いはどのようなプレゼンにも必要です。
意見には隠し味として、こちらの熱意や意欲を添えるようにしていきましょう。


 

<集中してもらう> 相手の気をそらさないコツ


集中してもらう
前の Lesson で、第一声はゆっくりと話しましょうと説明しました。このとき、小さな声でボソボソとささやくように話してはいけません。聞き手の多くはプレゼンターであるあなたに関心を向けていますが、まだ全体では集中していないことが多いのです。仲間同士でヒソヒソ話をしたり、眠かったり、プレゼンに集中できてない聞き手もいます。

集中していただくポイントとしてあげるのは次の3点です。

なんだ、当たり前のことばかりじゃないかと思われる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、聞き手をひきつけるには必ずこの3つを実行しなければなりません。プレゼンが始まって最初の段階で(1)と(2)を行うことでまず、聞き手の注意を喚起します。すると、この人は私に何か伝えようとしている、一生懸命に伝えようとしていると聞き手は考えます。
しかも、(3)のように笑顔で伝えようとしている、こちらにとって脅威や心配事を伝えようということではないようだ、笑顔でいわれると、ちょっと聞いてやろうかな、というように思うのです。前にも説明しましたが、笑顔で何かメッセージを伝えようとしている相手に、人間は本能的に敵意や反感を持ちにくいものです。

<間を上手に活用する> 沈黙を怖れない


間を上手に活用する
あなたは、無難にプレゼンテーションのスタートをきることができました。しかし「では、本日の内容です。御社が現在直面している・・・」と、間断なく話を続けてしまってはいけません。最初の挨拶、イントロ部分を言い終えた後に必ず、ちょっとの間をとってください。時間にして3秒程度のインターバルをとりましょう。「本日は貴重なお時間をいただきありがとうございます・・・・」で3秒程度沈黙します。そして「では、本日の内容です」と始めます。こうすることで場面が挨拶からプレゼンの中身へと切り替わります。

こうした場面転換を付けることで聞き手は十分にあなたの話を聞こうと考えます。

沈黙を怖れない
プレゼンが順調になってくると、話し方は流暢にじょう舌になってきます。たくさんのメッセージを聞き手の方に伝えたい。そう思って、できるだけ多くのことを話そうとしだします。ところが、間断なく話すことでいつしか「話すのを止めてはいけない」「沈黙はいけない」と思うことにつながってくることがあります。しかし、これは大きな間違いなのです。
熱心に聞き耳を立ててくれていた聞き手も、いつまでも集中できるわけではありません。間断なく話されると、次第にメリハリを感じることがなくなってしまい、漫然と聞き流してしまうということが起こります。こんなときに、先ほどの場面変換の手法である「間を置く」ことをやってみてください。

漫然と聞いていた聞き手の心理は、突然話すのを止めてしまったあなたに再び意識を向けてきます。今、ひょっとして大切なことを話したのではないか?これから大事なことを伝えようとしているのではないか? そう考えて、再び聞くことに集中しようとします。

これで、重要なポイントが相手の頭に刻み込まれることになります。


 

<聞き手の理解も確認する> 質問を投げかけてみる


プレゼンでは、緩急をつけたり間をとったりで、聞き手の関心を引くことが重要です。関心を引いたら、次は聞き手にこのプレゼンに対して問題意識を持ってもらいましょう。
あなたがいくら熱意を持ってプレゼンを進行させたとしても、聞き手が関心の域から出ていかないと、なんとなく話を聞いたというぼんやりとした印象になってしまいます。
それを防ぐ解決方法はいたって簡単です。

このように、聞き手に質問を投げかけてみてください。聞き手は、問いかけられたことで、関心を持っていた事柄を、はっきり自己が関わる問題として意識することになります。

このときに注意することが2点あります。

特定の人にだけ尋ねるようにとられると、それ以外の人の関心が逸れてしまいます。そして、多くの場合、全体に問いかけられたことをすぐに回答する人はいないと思います。問いかけに対し「どういうことなのだろうか?」とじっと考えだすのが通常の反応です。ここで、具体的に答えさせるように進めるとあなたの意図しない方向の回答が出てしまう危険性があります。そうなるとプレゼンは失敗してしまいます。

ここでも、ちょっと間をとってください。問いかけてみて、1拍おきます。

そこから、回答を自分の口から伝えるのです。

これは、これからプレゼンする主題に関係してくることのはずです。「それは、○○です」「■■だけが解決する方法です」などと伝えます。

そして「では、そのことについて今からお話していきます」と切り出します。
これで聞き手の関心は、問題意識となって各々に刻み込まれていきます。

<メリハリをつける> 丁寧さよりもわかりやすさ


話し方だけでなく、話し言葉についても注意することが必要です。例えば次のような話し言葉を聞いて、どのように思われるでしょうか?

話し言葉で実際に言われると、この文章以外に『え~』『あ~』といった間投詞もふくまれてきますので、さらに長いものに感じられるでしょう。問題意識を持っている聞き手は、何とか理解しようと熱心に聴きますが、ずっとこの調子の話し言葉が続いてしまうと、次第に飽きてしまいます。なるべく短いセンテンスを意識してみましょう。上の文章はこんなふうに言い換えます。

このように、なるべくシンプルに話をしましょう。
上の話し言葉からは、不要な修飾語や形容詞などを省きます。たとえば・・・

『弊社が提案するシステムで』は、話す相手がわかっているから不要です。
『なぜ解決できるのかということを』→『解決策をお話します』で十分です。
『1つ目は~・・・2つ目は~・・・3つ目は~・・・』→1つ1つを言い切ります。

上の例で、3つの点にくわしい説明がさらに必要ならば、やはり1つ1つを区切りながらあらためて説明を加えます。文章だけでなく、話し言葉についても1つ1つのセンテンスを短く区切り、話にメリハリをつけるように心がけましょう。


<無意味な言葉を使わない> 「えー」「あー」を連発しない


無意味な言葉を使わない
例えば、プレゼンで次のような言葉を聞いたらどう思うでしょうか?

『えぇっと』『あ~』等は、第一声の単語が出てこないから発生してしまう言葉です。とりあえず、話し出してみて言いたいことを考えてみよう、となるからこうなります。しかしこれでは、話す内容がまとまっていない、話す内容に自信がないのではないか、というふうに聞き手は理解してしまいます。それは「そんなまとまってない話を聞かなければならないのか・・・」となり、集中する気持ちを失くさせてしまいます。

何でもいいから言葉に出してとりあえず話し出そう、と考えてはいけません。意識して、これらの間投詞を使わないようにしましょう。それには、自信を持つことです。第一声は『それでは今からお話します』などと決めておきます。話し言葉の第一声は事前にシナリオなどできちんと決めておきましょう。そして『えぇ~』『あ~』と言いそうになったら、その言葉をのみ込んで黙ってください。

先ほどの例では・・・

下線の部分を言わないと、すっきりした話し言葉になると思いませんか?

できるだけ意味のない言葉を多用しないように心がけてください。普通の話でもプレゼンでも、つい使ってしまいがちな言葉を並べてみます。
『多分』・『一応(は)』・『基本的(に)』・『先ほども申しました(言いました)が』・『ある意味』などは連発すると、プレゼンで伝えるメッセージが弱くなってしまいます。

 

<一本調子で話し続けない> トーンとスピード、距離を変える


一本調子で話さない
プレゼンで無難なスタートをきることができました。いよいよ本論やメッセージを発信する山場に差し掛かろうとしています。このような際、一本調子で話を続けてはいけません。
どんなに聞き手にとって魅力的な内容であっても、同じ調子で話が続くと集中できなくなり、なかにはあくびをしてしまう人も出てきます。常に聞き手に変化を与えていなければなりません。

高速道路では、道路の所々にごく小さな段差を設けています。長時間のドライブで眠くなっているドライバーを覚醒させようとわざとゴツゴツしたドライブフィーリングを与えようと工夫しているわけです。あなたもプレゼンに、このゴツゴツを入れて聞き手に刺激を与えるようにしましょう。

トーンとスピードを変える
変化を持たせるためにはまず声のトーンを変えてみましょう。あるときは大きな声で、あるときにはささやくように話をしてみます。大きく高い声で聞き手をひきつけ、小さく低い声で重厚さを出します。またはスピードに変化をもたせましょう。あるときは急かすようにしゃべり、あるときは一語一語噛み締めるように話します。トーンとスピードを変えれば、聞き手の集中力が落ちることは少なくなります。

距離を変える
トーンとスピードだけでなく、ときにはあなたと聞き手の距離も変えてみましょう。あなたがパソコンや演壇から動かないと、聞き手は単調に感じてしまいます。話しながら、少し歩いてみましょう。近づくと聞き手は身構えて集中しますし、離れていくとリラックスします。
ずっと近づいたままですと、聞き手がストレスを覚えてしまいますので気をつけましょう。距離が常に変わっていると、聞き手は長い時間でも集中して参加してくれます。


<聞き手はあなたの態度をみる> 姿勢は人格を語る


聞き手はあなたの態度をみる
非言語(ノンバーバル)コミュニケーションである身振り手振りをプレゼンに加えれば非常に効果がある、と学習しました。身振り手振りとは別の基本的なボディランゲージを忘れないようにしましょう。それは、あなたの態度です。
どんなに話の口調を変えたり、聞き手に近づいたりしてみてもあなたの態度が好ましいと感じられないとプレゼンは失敗してしまいます。

姿勢は人格を語る
どんなに熱意や思いを込めてプレゼンに臨んだとしても、あなたがおどおどとした様子だったり、だらしなく見えたりすると聞き手はプレゼンの内容を受け入れてはくれません。社内で、あなたがどんな人物か了解している聞き手ばかりならばあるいは上手くいくことがあるかもしれません。しかし、顧客先やコンペの席上でそんな態度をとってはいけません。
清潔感ある身だしなみは当然ですが、いつでも立ち姿には気を配るようにしましょう。

堂々とした態度を見せる
堂々とした態度とは次のようなものです。

背筋を伸ばして、顔を上げます。聞き手の顔を見ます。
顔を見るのが苦手な人は相手の額かネクタイの結び目をみましょう。
次いで肩幅と同じ幅で両足を開きます。もしくはかかとを揃えて立ちましょう。このとき片方の足に重心をかけてはいけません。斜に構えているように映り、聞き手の印象が悪くなってしまいます。
手の位置も注意が必要です。前に組んでいる人が多いですが、これは自信がないように映ります。それとは逆にうしろに組んでしまうと尊大な印象を与えてしまいます。
身振り手振りをしないときは自然に腰の横に添えましょう。

面白いことに姿勢が決まると、意識も変わってきます。あなたには自信が湧いてきます。大丈夫、必ずこのプレゼンは成功する・・・良い自己暗示をかけて本番に臨みましょう。

 

第4章のまとめ

この章では以下のことについて学びました。

言語(バーバル)と非言語(ノンバーバル)の2つの方法を駆使して聞き手にメッセージを伝える
聞き手に情報を伝えるには2つの方法があります。1つは、単語と語句を組み合わせ文章に作り口に出し、図形・グラフ・何らかの表を使って見せる言語(バーバル)に基づく情報の提示、もう1つは、身振りや手振り、態度、さらに顔つきや目だけで表現するという示し方の非言語(ノンバーバル)に基づく情報の提示です。

プレゼンターから「事実の提示」「意見の提示」「熱意」を聞き手に示す
聞き手へメッセージを伝えるとき、まず提案には「事実」を伝えましょう。次には、具体的な「意見」を常にセットにします。そして共感してもらうためこちら側の「熱意や意欲」を添えます。

シンプルに落ち着いて話すことでわるい自己暗示を解く
プレゼンテーションを早口で話しはじめれば落ち着かずあがってしまい「わるい自己暗示」にかかってしまいます。これを防ぐには動作と話し方をゆっくりさせて「よい自己暗示」をかけることです。また、ときには「ここまではよろしいですか?」と問いかけることも効果的です。そして笑顔で聞き手の敵意や無関心を和らげます。

相手の気をそらさないコツを知り聞き手に集中してもらう
聞き手を引きつけるには3つのポイント、「大きな声でハキハキと話す」「明るく元気な態度で臨む」「無理のない笑顔をつくる」を実行することです。

沈黙をおそれず「間」として上手に活用する
プレゼンテーションをスタートさせてもそのまま間断なく話を続けては聞き手がメリハリを感じず漫然と聞き流してしまいます。こうしたときは場面転換の手法である「間を置く」を実行し聞き手の集中を途切れさせないようにします。「間」は一拍置いて3秒程度の沈黙が効果的です。

質問を投げかけることで聞き手に問題意識を持たせる
熱意をもってプレゼンテーションを進行させても聞き手の関心を問題意識として刻まなければいけません。そのためには聞き手に質問を投げかけることが効果的です。このとき「特定の人に向けるのではなく、聞き手全体に問うつもりで行う」「こちらの問いかけに対して、聞き手にその場で答えさせない」2点を注意して実行しましょう。

丁寧さよりわかりやすさを伝えるためにメリハリをつける
プレゼンテーションでは丁寧さよりもわかりやすさを心がけます。なるべく短いセンテンスを意識して区切りシンプルにメリハリをつけて話をしましょう。

「えー」「あー」を筆頭に無意味な言葉を使わない
『えぇっと』『あ~』等の間投詞、『多分・一応(は)・基本的(に)・先ほども申しました(言いました)が・ある意味』など意味のない言葉は多用しないように心がけましょう。

一本調子で話を続けず聞き手に変化を与える
本論やメッセージを発信する山場では一本調子で話し続けず、「話す声のトーン」、「話す声のスピード」、「話し手と聞き手の距離」の3つのポイントを変化させ聞き手を刺激し集中させましょう。

態度と姿勢は人格を語る
態度を好ましいものにするのがプレゼンテーションを成功させるポイントです。態度と姿勢が定まれば意識も変わりそれは自信と「成功する」というよい自己暗示にもつながるのです。

 


第5章 プレゼンテーションで伝えることはすべて伝わっているか?

<聞き手を観察してみよう> 聞き手のサインをみる


RPDCA の最後のチェック・アクションの項目です。プレゼンを実行している際、聞き手はどんな反応を示しているか?その反応に対してどのように応えていくか等を説明していきます。

聞き手を観察してみよう
プレゼンの実行中には、話を考えることと口を動かすことであなたは精一杯かもしれません。しかし聞き手の様子をよく観察しておくことは重要です。もっとも大事なポイントを熱心に説いているときに、聞き手が集中しておらず、そのことに気づけなかった等という事態は絶対に避けなければなりません。プレゼン中のあなたの視線は、資料や画面ではなく、その多くを聞き手に向けていることが重要です。資料や画面ばかりを見ているとわかると、聞き手は集中することを止めてしまいます。

聞き手が出すサイン
聞き手は、こちらから質問しなくても無意識にさまざまなサインをこちらに出しています。例えば、あくびをしている、言うまでもなく話に集中していません。首を傾げる、あなたの話に疑問を感じている可能性があります。貧乏ゆすりをしている、話に退屈しているなどのことはすぐにわかります。
聞き手は、常に何らかのサインをあなたに出していると思って、プレゼンの最中でも視線は常に彼らの様子を確認することにその多くを費やしてください。

出したサインによっては、すぐに対策を打たなければならないものがあります。多くの場合、プレゼンは限られた機会と時間で行われます。聞き手に1人の脱落者を出すこともなく進行させていきましょう。

<聞き手に目を合わせよう> 目線が与える効果


聞き手に目を合わせよう
聞き手の様子を確認するときは、聞き手の目をなるべく見るようにしましょう。あなたは聞き手によって注意深く観察されています。「この人の話は信用できるものか?」「この人のことを信頼してもいいものかどうか?」まるで値踏みされているかのようですが、ここで目を合わせないで過ごしてしまってはいけません。

目線が与える効果
もし、聞き手に目線を合わせないで話し続けるとあなたの評価は高いものにはなりません。
実際の姿がどうであっても、手元の資料や説明画面だけを見て説明していたら、不誠実でひ弱な印象を相手に与えてしまうことになります。
逆に「私にお任せください」と聞き手に目線を合わせて訴えたら大きな効果が出てきます。今日はあなたに折り入ってお話しているのですよ、と目線を合わせた聞き手は解釈をして、この人は何か信用できそうだ、この人の話は何か価値がありそうだ、と捉えられます。

目線を合わせるということは、聞き手を確認するだけでなく、話に説得力を与える効果もあるのです。

手には何も持たない
手にはなるべくものを持たないで、聞き手と向かい合うようにしましょう。よく、手に資料を持っている人がいます。しかし注意しておかないと、手元ばかりを見てしまい聞き手から遠ざかってしまうことになります。
手に何も持たなければ、身振り手振りにすぐ使えます。しかも手元を見ることがなくなりますから、自然と聞き手のほうを見ることになります。聞き手を見れば目があいます。目線を合わせてそこで「お任せください」といえば、あなたは信頼できるプレゼンターと認められます。


<聞き手の考えを聞いてみる> 不明な点を残さない


聞き手の考えを聞いてみる
あなたがプレゼンの聞き手だったとします。このとき話し手から一方的なプレゼンを聞かされていたとして「そのとおりだな」と速やかに意思決定ができるでしょうか?
聞くばかりでなくこちらの率直な感想を意見にして話し手と討論したいと考えるはずです。聞いているだけではどうしてもストレスがたまります。相手の状態を確かめるとともに、折にふれ積極的に質問をしていきましょう。

不明な点を残さない
多くのプレゼンターは「ご質問があれば説明が終わってからうかがいます」と説明を優先して、質問を後に回そうとします。しかしこれは、時として適切でないことがあります。
話を聞いていて途中で不明な点が出てきた場合でも、聞き手はずっとそれを残して話に付き合わなければならないという事態が生じかねません。
不明な点が残ったままでは、いずれストレスとなって聞き手を悩ませることになります。不明な点は出ないように、話の合間で「ここまでで何かご質問はありますか?」と聞いてみることを心がけましょう。

質問はいつでも受ける
「何かご質問はありませんか?」。このように聞いておけば聞き手のストレスはかなりの程度解消されます。なぜなら、そのとき聞くことがなかったとしてもいつでも聞けるという安心感を持つことになるからです。
基本的には聞き手が質問すれば、その場で答えて疑問を解消するように心がけましょう。

即答できない質問への対処
「いつも質問を受け付けていると、予定した進行が乱れてしまうかも・・・」。こんなふうに考える人もいらっしゃるでしょう。一方で、即答できない質問をいただくことがあります。たとえば「今回の提案をなぜ行おうと考えたのですか?」等のプレゼンの根幹に対するような問いかけです。質問が、進行に影響しないレベルのものなら逐次回答していきます。

質問内容が、全体に関わるような場合は「それは重要なご質問ですので一通りお話をさせていただいた後にあらためてお答えさせていただきます」と一旦おいてください。そして、プレゼンに戻って最後まで続け、あらためてこうした問いかけにお答えする時間を設けるようにします。

<聞き手の意見に対応する> 聞き手の心理を理解する


聞き手の意見に対応する
不明な点を残さないようにあなたは「何か質問はありませんか?」と聞き手に尋ねます。しかし、シーンとして聞き手は黙ったまま。よくある光景です。「無いようですので次に進みます」「無いようですのでここで終わります」となります。

しかし、ここで考えなければなりません。質問が無いというのはどういうことなのかと。それは、質問の必要がまったく無い説明だったのでしょうか?あるいはあなたの話が、質問するほどの価値がないとでも判断されたのでしょうか?

聞いたら悪い・・・
実は「熱心なプレゼンを遮ってまで、つまらないことを聞いたら相手に悪いのではないか」と思っているケースが非常に多いのです。
だからこそ、要所にて「何か質問はありませんか?」と聞くことが重要になるのです。そうやって繰り返し問いかけることで聞き手は「質問しても大丈夫そうだな」とやがて判断していきます。そして「ちょっといいですか?」と質問してくることになります。1人が聞くと、それが誘い水になります。その後は多くの質問が出てくるでしょう。

それでも質問がない場合
それでも、質問が出なかったらどうしたらいいでしょうか?納得してくれたのだろうと判断して進行するより先に、あなたがやってみることがあります。そんなときは「では、ちょっと皆さんにお尋ねしたいのですが・・・」と逆に聞き手に質問していきましょう。これで、重かった口は徐々に開いていき、プレゼンは成功への道を進みだします。


<質問は最後まで聞き取る> 相手の目をよく見てうなづく


急いで答えない
さて、あなたは「何か質問はありませんか?」と聞き手に質問を促しました。すると聞き手が「ちょっと、いいですか・・・」と手をあげて質問をしてきます。このとき、すぐに答えようと手元の資料を見たり、答えを考え始めたりしてはいけません。なぜなら、質問を十分に聞き取らないで答えようとしてしまうことがあるからです。

これでは、せっかく質問してくれた聞き手にとって失礼になります。

最後まで聞き取る
質問は最後の言葉まで聞いてみないと、本当は何を尋ねたいのかがわかりません。質問を促されたからと、考えがきちんとまとまらない状態で質問してくる聞き手もいます。「つまらない質問ですが・・・」などと前置きをして尋ねてくる人も少なくありませんがそういうときでも、油断していてはいけません。予定が押している以外で時間を急く理由はないので、じっくりと答えてください。

相手の目を見て真剣に聞く
聞き手が質問を始めたら、目を合わせて真剣に聞きましょう。そして聞いている間はほかのことをしてはいけません。うんうんと頷きながらパソコンの作業などしてはいけません。それに気をとられて大事な点を聞き逃す可能性がありますし、何よりも聞き手に対して失礼になります。
あわてずに最後まで聞ききってから、ゆっくりと質問に答えるようにしましょう。

<相手の質問を繰り返す> 理解しているサインを出す


答えに困る
「何かご質問はありませんか?」と促すと「ちょっといいですか?」と質問されました。ところがその質問が非常に答えるのが難しい問題だったとしたらどうでしょうか?全体に関わるような問いなら、プレゼンが終了した後に答えるということでもよいでしょう。

しかし、そういう性質の問題でなくても即答が難しい問いはあります。「今回の提案で、あなたは何を目的としているのですか?建前でなく本音でお答えください」等、少し意地悪な質問が出てくる可能性もあります。「質問はありませんか?」と問いかけたことで「どんなことを聞いてもよいのだ」という判断を聞き手に与えたことを忘れてはいけません。

あなたの話を聞いていますよ
「どんなことを聞いても(話しても)よいのだ」という判断を聞き手に与えたあなたは答えに詰まることがあるかもしれません。しかし、質問の内容についてそのまま答えなくても聞き手を満足させることができます。それは、聞き手からの「質問」を繰り返して話すということです。
先ほどの例の場合、「ありがとうございます。今回の提案の真の目的があるとすればそれは何か教えて欲しい、ということをお聞きになりたいのですね?」という具合にまず答えましょう。

このとき聞き手の言葉どおりにおうむ返しに答えないようにしてください。
聞き手の言葉を要約して自分の言葉に置き換えて答えるようにしましょう。

それでは、聞き手の問いに答えていないのではないか?と思うかもしれません。しかしこれも立派な回答です。そもそも質問とは相手から何らかの答えをもらえることを期待して発せられるものです。

そして一番避けるべきことは、質問したこと自体に反応を示さないことです。はじめに「あなたの話を聞いていますよ」ということを態度で示すことが重要です。「ああ、この人はわかってくれているな」と聞き手にまず安心を与えましょう。そこから、じっくりと内容を吟味して質問に答える準備をしていけばよいのです。


<いい質問ですねと賞賛する> 聞き手の意欲を高める


いいご質問ですね
聞き手の質問を、要約して繰り返したことで、ひとまず安心を与えることができました。しかし、このままの状態をずっと続けてしまってはいけません。聞き手から、問われている本来の質問について答えていかなければなりません。

そのためには、聞き手ともう一段高い信頼関係を早急に築くことが必要になってきます。聞き手の質問を、繰り返して確認した後に「いいご質問ですね」と一言添えましょう。質問と質問した聞き手を誉めるのです。

聞き手の意欲を高める
「いいご質問ですね」と言われたらほとんどの聞き手は誇らしく感じます。同時に、回答しようとしている者に何か協力しようという姿勢を持ちはじめます。こうなれば、しめたものです。聞き手の質問のなかでわかりにくい点を聞き手と共に確認しつつ、あなたはベストの回答を用意することができるようになります。
聞き手は、一般的に質問したがらないものです。訊ねたいことができても「こんなこと聞いていいのか?」「的外れじゃないか?」と躊躇してしまい、そのままになることも多いでしょう。聞き手にとって質問することとは、大変な勇気を奮った行動なのです。その勇気に対して「いいご質問ですね」と賞賛することで、聞き手の意欲はがぜん高まってきます。重かった口も軽くなり、双方向のコミュニケーションが確立されてプレゼンは成功へと進みだします。

言葉の使い方に注意する
「いいご質問ですね」という誉め言葉は、短時間に何度も繰り返してはいけません。繰り返して使うと、聞き手は賞賛に慣れてしまうだけでなく、ばかにされているのではないかと疑念を持つ場合もあります。
「重要な質問ですね」「大事な観点ですね」等、別の言葉も用意しておきましょう。

<感情的にならない> 目的を再確認する


感情的にならない(言い返さない)
あなたのプレゼンを聞いて「そんな提案では、うまくいかないですよ」と聞き手が反論してきました。「いいえ、そんなことはありません」と思わず言い返してしまいそうになります。でもそれを言うと「では、具体的な根拠を示してください」と聞き手は態度を硬化させてしまいます。プレゼンテーションにて反論された場合、そのまま言い返してはいけません。

目的を再確認する
こういう場合、特に内容に強い自信を持つときはつい言い返したくなりますが、決して感情的になってしまってはいけません。感情的になればプレゼンは失敗します。

あなたが今日プレゼンをするということは一体どういうことなのか?を思い出しましょう。プレゼンの目的とは、相手に共感してもらいこちらの望む方向に動いてもらうことです。聞き手と討論するためにこれまでプレゼンをしてきたわけではありません。

反論を繰り返す
反論されたときも、質問を受けたときと同じように対処することを心がけてください。つまり、反論の内容を要約して相手に返し、自分がそのことを理解していると聞き手にわかってもらいます。
次に、意見をされたことについて誉めます。それから「どうして、そのようにお考えになりましたか?」と逆に問い返してみましょう。

深入りせずに答える
一通り聞き手の反論の根拠について聞いたあとに、答える内容は限られてきます。すぐに答えられそうなものなら、率直に答えます。そうでない性質があるなら深入りはしないことです。「なるほど、そのような意見もありますね。今後の参考にさせていただきます」とそれ以上の議論はせず「では、次に~」とプレゼンを続けていきましょう。

あなたの今回の目的はプレゼンを成功させることです。あなたの意見と聞き手の反論のどちらが正しいかは、その場の人たちの判断に委ねましょう。


<合意や賛同得た事項を確認> 合意事項と課題点を確認する


話してきた項目を確認する
あなたが熱弁をふるってきたプレゼンも、いよいよ最後のまとめを残すだけとなりました。ここで「ご清聴ありがとうございました」と挨拶して終わる前に、もう一度だけ今日話したプレゼンの内容を聞き手に振り返っていただきましょう。まず合意事項の確認です。

合意事項を確認する
今日話したプレゼンにおいて、聞き手と合意や確認いただけたと思う点を提示しましょう。できれば、画面に映すかホワイトボードなどに書ければ果的ですが、なければ口頭で確認します。これは、プレゼンが一方的に進められたのではなく、質問と受け答え等のやりとりが行われたこと、つまり聞き手との共同作業で実施されたことを印象づけるために行います。これによって、そんな話は聞いていないということがなくなり、聞き手はあらためて当事者意識を持つことになります。

課題点を確認する
それから、プレゼンで課題点が浮上した場合、それについても確認をしておきましょう。
この場では答えられなかった質問や意見なども、課題として確かに受け取りましたというメッセージを出しておきます。浮かび上がった課題点をけっして放置しませんよとアピールすることになり、聞き手の印象はさらによいものになります。
もちろん、課題ですからあらためて答える機会を持つことを忘れないでください。

プレゼンの目的を忘れない
合意事項や課題点の確認は、聞き手に当事者意識を持っていただくために行うものです。しかも、最後のまとめに入る前に行うものなのでここでは長い時間をとらないように気をつけてください。あくまで、プレゼンを成功させるための手段に過ぎません。そして、いよいよプレゼン全体のまとめと最後の挨拶を残すだけとなります。

プレゼンを振り返る> 結論を強く印象づける


プレゼン全体を振り返る
合意事項などの確認が終わった際に、いよいよ最後のまとめに入っていきます。まず、今回話した内容を要約しましょう。このときも場面転換の技術を使います。少しの間をとり、声のトーンやスピードを意識して変えて話し出しましょう。『本日はこんなお話をしました。1つ目に~~。2つ目に~~。3つ目に~~』等と。

結論を強く印象付ける
要約が終わったならば、もう一度プレゼンの結論を話しましょう。『○○は△△することにより御社に貢献し、多大な業績を上げることができます』『是非、私どもにご用命をいただけますようよろしくご検討お願いします』など。
この際、必ず聞き手側のキーパーソンに目を合わせて、力強く語ってください。できれば身振り手振りなどを交えて、その結論を強調してください。最後の結論を印象付けることで、聞き手に強く訴えることになります。

最後に挨拶する
印象に残る強い結論を話したら、聞き手に意思決定を促して最後の挨拶をします。挨拶では、あなたの率直で誠実な思いを聞き手に伝えてください。
『本日は、貴重なお時間をいただきありがとうございます。今回のお話をいただいた時、大変光栄に感じましたが同時に、身の引き締まる思いにもなりました・・・』
今回のプレゼンにどんな気持ちで臨んだのか?どんな点を聞いて欲しかったか?
私は、皆さんにどんな貢献ができるのかなど。それから再度、場面転換をします。
やや間を置いてから「本日は、ありがとうございました」とゆっくり話してください。
こうすることで聞き手からは強い印象と、好意的な評価が得られます。

第5章のまとめ

この章では以下のことについて学びました。

聞き手を観察しサインを感じ取ろう
退屈や疑問、集中力の低下など話し手はこうしたサインを敏感に感じ、そのうえで資料ではなく聞き手に視線を集中させることが大事です。

聞き手と目を合わせる
聞き手のようすを確認するとき相手の目を見ます。聞き手を確認するだけでなく、話に説得力を与える効果があるからです。また聞き手に「誠実、親近感、熟練、自信がある、信頼できる」と印象付け高評価につながります。このとき手元に何も持たず聞き手と向かい合うことが大切です。

聞き手の考えを質問として対処する
率直な意見をもって話し手と討論したいと考えている聞き手もいます。これはあと回しにせず合間に質疑応答を行うことで解決されます。質問は進行に影響しないものは即答、するものはあとで解答して対処することを心がけましょう。

聞き手の心理を理解して意見に対応する
「何か質問はありませんか?」と聞き手に尋ねても沈黙の中淡々と進行することはよくあります。これは説明が質問の必要や価値がないのではなく、「聞いたら悪い」という場合が多いのです。要所に質問を促し、呼び水にして次つぎと質問が発せられる場にすることが大事です。

聞き手の質問はしっかりと受け止める
聞き手が質問をしても話し手が、手元の資料やパソコンを見たり、答えを考え始めて、すぐに答えようとしては意味がありません。最後まで聞き取り何をたずねたいのかきちんと理解して答える、聞き手と目をあわせて真剣に聞く、この2つを実行してしっかりと聞き手の質問を理解しましょう。

質問を繰り返し理解しているサインを出して答える
即答をしかねる難しい質問や少し意地悪な質問を提示されることもあります。こうしたときは聞き手の言葉を要約し自分の言葉に置き換え質問を繰り返すことで「あなたの話を聞いていますよ」という態度を示すことが重要です。聞き手に安心を与えた上でじっくりと内容を吟味し答える準備をすればよいのです。

質問を賞賛して聞き手の意欲を高める
質問と質問した聞き手を誉め聞き手ともう一段高い信頼関係を早急に築くことが必要です。賞賛することで意欲は高まり協力する姿勢を持ち双方向のコミュニケーションが確立されて成功につながるからです。

反論に感情的にならず対処する
質問の中では反論も生まれます。このようなとき、感情的になって言い返してはいけません。反論も「要約して相手に返し意見を賞賛しその根拠を問いかける」、「即答できるものは率直に答え、そうでないものは深入りしない」ことで対処しプレゼンの進行を妨げないことです。

合意事項と課題点を確認することを忘れない
プレゼンを最後にまとめる前に「合意事項」と「課題点」を確認しましょう。聞き手と合意・確認できたことを提示し共同作業で実施されたことを印象づけるため、答えられなかった質問や意見を課題として受け取り放置をしないというアピールします。

プレゼンを振り返り結論を強く印象付ける
最後のまとめは次のポイント順に実行します。今回話した内容を場面転換の技術を使い要約する、聞き手側のキーパーソンに目を合わせプレゼンの結論を語る、聞き手に意思決定を促す、率直で誠実な思いを伝える挨拶をする、こうすることで聞き手から強い印象と好意的な評価を得られます。


TAMITEKU
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歴史の偉人達の名言から学び、ライフワークに活かすタミテクブログ。 マルチワークによる家庭環境の安定を目指す。ダブルワーク、株式投資、投資信託、IPO、株主優待、アフィリエイトなどのノウハウを公開していきます。 ITコンサルティング会社勤務。2児の父。